2005 Fiscal Year Annual Research Report
繊維強化および粒子分散強化高分子複合材料のX線高温その場応力測定
Project/Area Number |
17560607
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
西田 真之 神戸市立工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (80332047)
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Keywords | X線応力測定 / 高分子材料 / 繊維強化材料 |
Research Abstract |
まず測定に必要な母材および強化材に使用する材料の選択を行い,測定サンプルの作成を行った.強化材料にはタングステンの長繊維を使用し,母材には結晶性高分子であるポリエチレンを用いた繊維強化材料とした.現在,強化繊維にカーボンファイバーを,母材にポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレートなどを使用した繊維強化材料も作成準備中である.また,残留応力測定に先立つ測定条件の検討については,繊維と母材の密着強度が弱い場合に測定結果がばらつき不安定になる現象が確認されている.今後,密着強度を考慮しながらサンプルの作成を行う必要がある. さらに,現在測定中のポリエチレンについて,応力測定に必要な高分子材料の結晶化度を高める前処理はある程度成果をあげ,鮮明なピークプロファイルを得ることに成功している.しかしながら,高温状態においては結晶化度が低下し,回折線ピークの強度が弱くなると同時に非晶質部分が増加し,回折ハローが多く出現している.この場合,結晶部分と非晶質部分の体積割合により応力が変化すると考えられるので,体積割合を正確に求める必要がある.さらに,このような現象から結晶化度が測定中に変化することも推察されるので,応力を求めるためには測定結果への何らかの補正が必要と考えられる. 次に,3軸解析法における無ひずみ状態の格子面間隔d_0を求める試みについて,原則として高分子材料には金属のパウダーに相当する試料が存在しないため,十分に熱処理してひずみ除去を行った試料に引張負荷を加え,負荷応力(σ)と2θ-sin^2φ線図の傾き(M)の関係からd_0の測定を試みている.この場合,低角に出現する回折線に対してアンブレラ効果による見かけ上の低角側へのピークシフトが確認された.d_0を求めるにはピーク出現角度の絶対値が重要となるため,アンブレラ効果への対策を検討する必要がある.
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