2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規超高機能複合材料創出のための超微粒子のめっき共析における特異性の解明
Project/Area Number |
17560612
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
松原 浩 長岡技術科学大学, 分析計測センター, 助教授 (00202325)
|
Keywords | 無電解めっき / 複合めっき / 超微粒子 / ナノダイヤモンド / 共析機構 |
Research Abstract |
直径が数十nm程度以下の超微粒子においては、バルクとは異なる機能が発現する場合があり、金属マトリックスに超微粒子を複合化する事により数多くの新規超高機能複合材料が創出できると考えられる。めっき法による微粒子の複合化においては、粒子径が微細化すると共に粒子の膜中への共析量が減少する傾向があり、百nm程度以下の直径になると数%程度しか粒子共析ができない。このため、超微粒子複合材料の作製には大きな困難が存在する。本研究ではこのような超微粒子のめっき共析における特異性を明らかにする事を目的とし検討を行い、本年度においては次に述べる成果を得た。種々の粒子径のダイヤモンド微粒子等を一定の状態まで分散させる方法として、超音波印加による分散法が有効であることがわかった。入手した微粒子を、洗浄、高温の酸処理により精製し、粒子の表面状態を揃えてめっき共析量を一定とすることができた。めっき膜の微細構造観察のための試料作成法として、析出物を炭素膜で支持する手法が有効であることがわかった。析出物の組成分析のための試料作成法を確立した。めっき条件による超微粒子の共析挙動の変化の調査として、ニッケルの無電解めっきを行い、種々のめっき条件による粒子共析挙動を追跡したところ、錯化剤などの因子が超微粒子の共析挙動に大きく影響をおよぼし、特にクエン酸系の錯化剤が粒子の共析に有効であることが確認された。この結果を現象論的観点から考察し、金属錯体の形成と微粒子との相互作用が超微粒子のめっき共析における特異性の鍵を握ると推察された。この因子を利用してさらに条件を最適化することにより粒子共析量の一層の増加を試みたところ、10%もの高い共析量が得られた。
|