2006 Fiscal Year Annual Research Report
SiCセラミック薄膜表面への触媒機能付与に関する研究
Project/Area Number |
17560625
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
杉本 雅樹 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (90354943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 正人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究主幹 (40354948)
山本 春也 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究副主幹 (70354941)
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Keywords | 炭化ケイ素(SiC) / セラミック薄膜 / イオン照射 / ガス分離 / 有機-無機変換 / ケイ素系高分子 |
Research Abstract |
炭化ケイ素(SiC)セラミックス前駆体であるポリカルボシラン(PCS)の薄膜を無機転換して得られるSiC薄膜は、その非晶質構造からガス選択分離性を有しており、耐熱性、耐食性に優れた水素分離フィルター等への応用が期待されているが、水素透過量及び分離比の向上が課題となっている。そこで本研究では、イオン注入による白金等の水素分解触媒層形成や、高エネルギーイオンビームの透過によるナノホール構造の形成によるSiC薄膜のガス透過性制御の可能性を検討した。 多孔質アルミナ基板にPCS-シクロヘキサン溶液を製膜し、不融化後に焼成してセラミック化しSiC薄膜を形成した。この薄膜に種々の条件でイオン照射を行い、照射前後の水素及び窒素の透過量を評価した。薄膜を貫通する条件でH〜Xeを1x10^<12>ion/cm^2照射した場合、窒素の透過量は僅かに増加するが、水素は照射前に比べて0.8以下に減少した。また、照射量を1x10^<14>ion/cm^2まで増大した場合、窒素の透過量も0.9に減少した。これは、無機化温度としては比較的低い800℃で焼成された非晶質なSiC薄膜が、イオン照射により約10%収縮するため、分子ふるい機構により水素のみが選択通過できる空孔数が減少したためと考えられる。また、Ptを5x10<15>ion/cm^2イオン注入した場合、水素及び窒素の透過量は、それぞれ0.25及び0.77に減少した。これは注入されたPtがSiC薄膜中で局所的に高密度層を形成し、ガス分子の通過を妨げたためと考えられる。
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Research Products
(3 results)