2005 Fiscal Year Annual Research Report
配管の異常腐食を予測するための材料表面流れ場における流動パラメータの探索
Project/Area Number |
17560635
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
矢吹 彰広 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70284164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯本 良則 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40127626)
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Keywords | 腐食 / 浸食 / エロージョン-コロージョン / 流動パラメータ / 配管 / 漏洩事故 / 点検 / 発電プラント |
Research Abstract |
化学プラントなどの配管の異常腐食を予測するために,金属材料の腐食と材料表面近傍の流動パラメータの関係を調べた。まず,実験室レベルで流動状態と腐食データとの関係を調べ,異常腐食に関係する流動パラメータの基礎的検討を行った。流動パラメータの解析には当研究室で従来から腐食試験に用いられてきたすき間噴流法試験装置を使用した。この装置を5倍にスケールアップし,それに今回新たに設計,製作した流体圧測定装置を設置した。流体圧の測定では,圧力変換器を介して,コンピュータに取り込み,材料表面近傍の流体圧およびをワイヤー前後の差圧を算出した。 流体圧の経時変化を解析した結果,大きな浸食が生じる箇所に特徴的な圧力の変動現象が観察された。この結果から材料表面の各所における平均差圧,定常差圧変動,最大差圧変動,壁面圧力を算出した。次に,得られた流動パラメータを浸食量と相関させるために,推定式を導入した。液流動下における金属材料の浸食は材料表面における酸化剤濃度に支配的であることから,金属表面に形成される酸化物皮膜および濃度境界層内の酸化剤移動速度を流動パラメータと相関させた。酸化剤の移動速度は皮膜や濃度境界層の厚さに依存していて,それが流動パラメータの0.5乗と相関があり,パラメータの寄与度を示す係数を乗じた推定式を提案した。この式を用いて,浸食分布の異なる黄銅および70銅ニッケルの浸食量に合致するように試行錯誤法で流動パラメータの寄与度を計算したところ,計算値を実験値にほぼ一致させることができた。式中の寄与度の値から黄銅については定常差圧変動,70銅ニッケルについては平均差圧変動,定常差圧変動,壁面圧力が皮膜剥離に関与していることが明らかとなった。
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