2006 Fiscal Year Annual Research Report
摩擦肉盛技術と摩擦攪拌接合技術を応用した板材の高機能化
Project/Area Number |
17560640
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加藤 数良 日本大学, 生産工学部, 教授 (00060145)
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Keywords | 摩擦肉盛 / 摩擦撹拌接合 / 肉盛金属 / 肉盛層 / 肉盛材 / アルミナ粒子 / 比摩耗量 / 撹拌部 |
Research Abstract |
本年度はA6061合金板表面の高機能化を目的に以下の実験を行った。 1.A6061合金棒(φ20×100^Lmm)にφ5mm,深さ30mmの穴加工を1〜4個所行い,穴中にアルミナ粒子を充填してA6061合金板(150^L×50^W×5^tmm)上に摩擦肉盛を行い,得られた肉盛材の外観観察巨視的および微視的組織観察,硬さ試験および摩耗試験を実施した。その結果,(1)アルミナ粒子を充填した穴の数に関係なく肉盛層の外観形状はアルミナ粒子を用いない場合と類似の様相を呈し,肉盛中心より前進側に偏る傾向が認められた。(2)肉盛中にアルミナ粒子の一部が飛散して基材表面に付着が認められた。(3)肉盛層内にはアルミナ粒子が層状に分散され,穴を4個所とした条件が分散密度は最大であった。(4)全条件で肉盛層中央部にアルミナ粒子の分散が粗となる部分が観察された。(5)肉盛効率は穴数が多くなるのに伴い小さくなった。(6)摩耗試験の結果ではアルミナ粒子を用いない場合に比較して良好な結果が得られた。 2.A6061合金板(150^LX100^WX6^tmm)中央に溝加工(幅5mm,深さ3mm)を行い,溝中にアルミナ粒子を充填し,回転工具のプローブ部の形状を変化させて摩擦撹拌プロセスによる分散を行った。その結果,(1)プローブ形状をねじ状として回転工具を使用した条件がアルミナ粒子の分散が最も良好であり,円筒状のプローブ形状とした場合がアルミナ粒子の分散量は最も少なかった。(2)ねじ状のプローブを使用した条件では撹拌部全般にアルミナ粒子は分散されているが,撹拌部外周部に比較して中心部のアルミナ粒子の分散が若干少なくなる傾向が認められた。(3)テーパー状のプローブ形状とした場合には撹拌部内のアルミナ粒子はねじ状のプローブを使用した場合に比較して少ないが,撹拌部上部に比較的均一に分散されることが明らかとなった。
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