2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境優先型アルミニウム化学研磨法による表面皮膜のナノ構造解析
Project/Area Number |
17560641
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 明 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (70257103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新藤 恵美 武蔵工業大学, 工学部, 技士 (60398899)
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Keywords | アルミニウム / 環境優先型 / アルカリ性 / 化学研磨 / 皮膜 / 網目状組織 / ナノ構造 / 光学特性 |
Research Abstract |
1.研磨液組成および研磨条件の最適化の検討に関する成果 アルミニウム(A1050)材を用いて研磨液組成および研磨条件等を検討した結果、水酸化ナトリウム:1.5wt%、過硫酸ナトリウム:32wt%、純水:残り、液温度:70度、研磨時間:360秒等で一般に使用されている酸性研磨液と同等の高い光沢度が得られたことから、研磨液組成および研磨条件のほぼ最適化が行われたと推察された。 2.酸性溶液とアルカリ性溶液の研磨機構の相違と皮膜のナノ構造解析のための分析・解析 それぞれの研磨溶液による試料表面のX線光電子分光分析(XPS)による分析の結果からアルカリ研磨皮膜は酸性研磨皮膜より密度が低く、XPSとグロー放電発光分光分析(GDOES)、TEM等の結果から皮膜厚さは酸性研磨被膜(7nm前後)よりアルカリ研磨被膜(14nm前後)の方が厚かった。さらに、XPSとGDOES、フーリエ変換赤外分光光度計の結果からアルカリ研磨皮膜は酸性研磨皮膜より水酸基が多く存在した。また、研磨表面に出現する網目状組織はSEMとEBSDの結果から素地の結晶粒とは直接関係がないことがわかった。 3.皮膜のナノ構造と反射光波長特性の関係解明のための測定方法の検討 波長が190〜2500nmの光に対する試料の絶対反射率(入反射角10°、40°、60°)測定の結果、アルカリ性溶液の研磨面は角度依存が少なく、酸性溶液の研磨面は角度依存が大きく角度が低くなるにつれて反射率は低くなった。逆に拡散反射率はアルカリ性溶液の研磨面は酸性溶液の研磨面より1/2以下の値となり、ナノオーダーの凹凸が増加すると短波長の光ほど拡散反射率が低くなった。これらのことは、皮膜表面のナノ構造、網目状組織の大きさ、凹凸の状態、凹凸の高低差、皮膜厚さなどが関係すると考えられる。 このことより各反射率の測定により被膜のナノ構造の解明に有効であることがわかった。
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Research Products
(6 results)