2005 Fiscal Year Annual Research Report
In-situ還元法を用いたアルミニウムの高速複合窒化による高機能皮膜の創製
Project/Area Number |
17560643
|
Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
奥宮 正洋 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (20177182)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恒川 好樹 豊田工業大学, 工学部, 教授 (50148350)
今田 康夫 豊田工業大学, 工学部, 助手 (90148354)
|
Keywords | アルミニウム / 窒化 / 材料加工・処理 / 表面改質 |
Research Abstract |
アルミニウム-50mass%マグネシウム合金粉末(Al-Mg)とアルミナ粉末(Al_2O_3)を入れたバレル槽を用い,揺動運動により充填粉末と基材に相対運動差を発生させて物理的に,またはAl-Mg合金粉末により化学的にAl基材表面を活性化させることにより,融点以下でのガス窒化処理を可能とした.さらに本研究のAlの窒化メカニズムを検討した.検討方法にっいては,処理温度を一定にし,処理時間の変化にともなう断面組織の変化過程を断面組織観察および元素分析を用いて調査した. 窒化させるには基材表面にMgの拡散層が形成される必要があったが,基材内部に侵入・拡散したMgの基材表面の濃度が,ある臨界値に達したときに窒化物が生成されるメカニズムではなかった.また,Mgが基材表面に存在するだけで,窒化されるのかを調査するため,基材表面にMgの拡散層を有している試料をN_2雰囲気中で加熱・保持した.基材上に堆積層がない試料では,Mgは酸化されるが,堆積層がある試料では,Mgは酸化されなかった.つまり,堆積層が雰囲気ガスと基材表面との接触を妨げていたために,基材表面の酸化を防いでいた.さらに,窒化物は堆積層に含まれるAlNからNが供給されるというメカニズムで生成される. 窒化物層は拡散律速によって成長し,窒化物層中の拡散種を同定するため,カーケンドール効果を利用したマーカー移動の理論を使った.マーカーシフト実験により,窒化物層中の拡散種はNであった. バレル窒化法によるAlの窒化メカニズムが解明された.このメカニズムの解明により,Alを窒化させるには,以下の二項目が必須である. 1)「自然酸化膜の除去」 2)「自然酸化膜除去後の再酸化の防止」
|