2005 Fiscal Year Annual Research Report
金属表層の加工硬化層検出のための非接触音速測定法の開発
Project/Area Number |
17560648
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
西村 昭彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究副主幹 (90370452)
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Keywords | 金属加工 / 加工硬化 / 応力腐食割れ / レーザー計測 / 音速測定 / 弾性波 |
Research Abstract |
本研究の背景として、H14年より超短パルスレーザー光による熱影響を極力抑制した蒸発作用を利用して、軽水炉で使用されている原子力ステンレス鋼の応力腐食割れ対策技術の開発を発案・実施している。 本研究では3ヵ年の研究期間をかけ、機械加工時のステンレス表層に生じる加工硬化層の厚みを検出するため、レーザー光による干渉縞を金属表層に生成し、これにプローブ光を入射させ1次回折光の強度の時間変化より音速を測定することの原理実証を行う。 初年度であるH17年においては光学測定系の整備と原理確認のため、液体を対象として液中にポンプレーザー光の干渉による回折構造を生成した。さらに、この回折構造にプローブ光を入射させ1次回折光の強度の時間変化を捉えることに成功した。液体としてエタノールの濃度を変化させ、エタノール濃度の変化に応じた音速の値を確認した。光源には機構保有のレーザー装置を利用した。ポンプ光としてYAGレーザーの1ミクロン光を、またプローブ光として2倍高調波530nmを使用した。 現在、ステンレス鋼での測定に向けてSN比向上のための測定系の技術開発をシリコンウエハーを用いて実施している。このためロックインアンプ等の信号積算処理を整備し、測定感度の向上に挑戦している。また、原子力ステンレス鋼の表面にフライス加工を施し加工硬化層を設けたサンプルの製作は終了している。サンプル断面の機械研磨、電解研磨、顕微鏡写真撮影についても終了している。
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