2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属表層の加工硬化層検出のための非接触音速測定法の開発
Project/Area Number |
17560648
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
西村 昭彦 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (90370452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 幸洋 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (50446407)
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Keywords | 誘導ブリルアン散乱 / レーザー加工 / 音速測定 / 光ファイバ / 原子炉の安全性 / 診断技術 / 回折格子 |
Research Abstract |
本研究では3年の研究期間をかけ、金属表層の加工硬化及び経年劣化に起因する弾性定数の変化を表面弾性波の音速及び減衰率として測定することを目標としている。 前年度までの基礎研究の結果、金属表面に遠隔で形成した回折格子構造には、金属表層の表面弾性波よりも金属と接する空気の音速が支配的に現れることが判明した。 この空気の影響を排除するためには、1)真空下での高SN比計測実験、2)透明媒質の利用、の2つの方法が考えられる。今年度は、実用の観点から2)を採用することとした。前年度に特許出願した音速測定系の光学系を鑑み、干渉法による回折格子の描画とレーザー加工による回折格子の描画の利便性の双方を比較した。その結果、レーザー加工による回折格子の描画を採用し、音速測定の原理である誘導ブリルアン散乱現象を利用した計測系の構築に必要なセンサー開発を実施した。具体的には超短パルスレーザー加工により光ファイバのコア部分に回折格子の作製に成功した。この光ファイバセンサーを原子炉の構造材に取り付けることで、地震発生時に構造材にかかる振動や変形をモニターすることができる。とりわけ、次世代のヘリウムガス冷却型の原子炉は熱効率向上の観点から冷却材の原子炉出口温度が950度に達する。このセンサーは金属表面の弾性波の検出に必要な高SN比の計測回路と組み合わせることで、地震発生時の原子炉の診断技術として有効である。
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Research Products
(4 results)