2005 Fiscal Year Annual Research Report
イオン性液体を用いた環境調和型のレアメタル分離回収システムの開発
Project/Area Number |
17560662
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保田 富生子 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (60294899)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 雅宏 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10211921)
|
Keywords | イオン液体 / レアメタル / 抽出 / 分離回収 / 液膜 / 抽出剤 / 界面 / 環境 |
Research Abstract |
本研究の目的は、イオン性液体を分離媒体に利用した環境調和型の新しいレアメタル分離回収システムを構築することである。 本年度は、まず、抽出媒体として、イミダゾリウム型の種々イオン性液体の合成を行った。イオン性液体は、有機性の陽イオンと有機、無機性の陰イオンから成る溶融塩であり、両イオンの組み合わせによりその物性を変えることができる。そこで、イミダゾリウムにアルキル鎖長の異なる置換基あるいは異なる官能基を導入し、これに種々陰イオンを組み合わせることにより、物性の異なるイオン性液体を調製した。 さらにオクチル(フェニル)-N,N-ジイソブチルカルバモイルメチルホスフィンオキシド(CMPO)を抽出剤として用い、疎水性の高いイオン性液体への一連の希土類金属の抽出を試みた。その結果、従来の有機溶媒に比べて、CMPOの抽出能力が格段に上がるばかりではなく、分離の難しい希土類金属間の選択性も高くなることが明らかになった。この場合、抽出のメカニズムは従来の溶媒におけるものとは異なり、金属イオンがイミダゾリウム陽イオンC_nmim^+とのイオン交換により抽出されることが推定された。イオン性液体を溶媒に用いた場合、抽出した金属イオンの逆抽出が難しいが、本研究ではこの逆抽出に成功し、また抽出後のイオン性液体が繰り返し使用できることを明らかにした。 抽出剤として、N,N,N',N'-テトラキス(2-ピリジルメチル)エチレンジアミンのイオン性液体抽出への利用、さらにカリックスアレーンの金属イオンの抽出挙動の検討を行い、金属イオン分離への指針を得た。 イオン性液体を液膜の膜相として用いると液膜の安定性が増すことが期待される。イオン性液体の液膜への応用のために、種々抽出系での液膜システムの検討を行った。
|
Research Products
(4 results)