2006 Fiscal Year Annual Research Report
反応分離用水素分離金属複合膜のめっき法による調製と水素透過挙動の解明
Project/Area Number |
17560672
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
上宮 成之 岐阜大学, 工学部, 助教授 (60221800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
義家 亮 岐阜大学, 工学部, 助手 (60293544)
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Keywords | 水素 / 燃料電池 / 反応分離 / 分離膜 / 電気めっき / 超臨界 / 無電解めっき |
Research Abstract |
昨年度の研究で電解めっき液に超臨界二酸化炭素を共存させ、攪拌しながら電解めっき(超臨界電解めっき)することで、水素を迅速に超臨界二酸化炭素に相溶し、ピンホール生成や異常成長を抑制できることを明らかにした。しかし、Pdを緻密薄膜化したにもかかわらず、薄膜化により期待される水素透過性能の向上がみられなかった。その原因の一つとして、めっき前の基材の修飾方法に問題があると考えた。そこで本年度は、基材の修飾方法を改良するとともに、PdとAgを同時析出させて穏和な条件下で水素透過性に優れるPd-Ag合金薄膜を作製することで、水素透過性能の向上を試みた。X線回折やエネルギー分散型X線マイクロアナライザー(EDX)の結果から、めっき膜の熱処理後にはPdとAgが合金化していることを確認した。得られた薄膜は、合金化による水素透過能を、水素透過係数を比較することで評価した。その結果、Ptで導電性を付与したときには基材細孔内にPtが析出して水素の拡散を抑制したために期待した水素透過能が得られなかったと考えられた。そこで細孔径を0.06μmと小さくして導電層を形成する金属が細孔内に析出することを抑制した。また水素透過に寄与しないPtが細孔開口率を小さくしていたと考え、PtからPdに導電層金属を変更し、開口部での水素透過が可能となるようにした。得られたPd-Ag合金薄膜は、導電層金属が同じときには純Pd薄膜より水素透過性が優れ、さらにはPdで導電性付与することで格段に優れた水素透過性能を得られた。しかし超臨界電解めっき法で得られたPd-Ag薄膜の薄膜表面上には、多くの粒子状の析出物が存在することが確認され、その密度はAgNO_3濃度が高くなるにつれ多くなった。EDXを用いて元素分析を行った結果、析出物付近では他よりAgが高濃度であったが、析出物がAgのみであるとの確証には至らなかった。
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Research Products
(2 results)