2007 Fiscal Year Annual Research Report
反応分離用水素分離金属複合膜のめっき法による調製と水素透過挙動の解明
Project/Area Number |
17560672
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
上宮 成之 Gifu University, 工学部, 教授 (60221800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
義家 亮 岐阜大学, 工学部, 助教 (60293544)
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Keywords | 水素 / 反応分離 / 分離膜 / 電気めっき / 超臨界 / 無電解めっき / パラジウム / 合金 |
Research Abstract |
昨年度はめっき液に超臨界二酸化炭素を共存させ,激しく撹拌しながら電気めっき(超臨界電気めっき)することで,平板型多孔質支持体上にピンホールや異常成長のないPd-Ag合金薄膜を得ることに成功した。本年度は膜改質器への応用を想定して,円筒状多孔質セラミック支持体にPd-Ag合金薄膜の作製を検討するとともに,薄膜の機械的強度を向上させることを目的としてPd-Ag合金に〓属金属を添加することを検討した。 円筒状多孔質セラミック支持体に製膜するために,めっき反応器の設計を行った。円筒型めっき反応器では,めっき液と超臨界二酸化炭素を上下方向の攪拌が困難でめっき液の分散状態が悪かったため,反応器外部でポンプの剪断力で攪拌することにした。その結果,Pd/Ag=77/23wt%とほぼ所望の合金組成で,膜厚が1.5μmの緻密な薄膜を作製することに成功した。得られた薄膜の水素透過係数は,平板支持体のときと比べて若干低下しており,細孔内部への金属析出などで水素透過抵抗が増加したと考えた。 Pd-Ag合金にVIII族金属なかで安価で水素透過能が向上することが知られているRuを添加することを試みた。超臨界電気めっき法により作製したPd-Ag-Ru合金薄膜は,723Kにおいて純Pd薄膜の約6倍,Pd-Ag合金薄膜の約1.2倍水素透過係数が向上した。また,別途実施した無電解めっき法で作製したPd-Ag-Ru合金薄膜と比べ,723Kにおいて水素透過係数は約1.5倍向上した。無電解めっき法により製膜したPd-Ag-Ru合金薄膜は,円筒型支持体(細孔径0.1μm)の細孔構造が異なるために物質移動を考慮しなくてはならないが,水素透過係数は大きく向上したと言える。しかし,作製したPd-Ag-Ru合金薄膜の合金組成はPd/Ag/Ru=91/8.5/0.5wt%と,所望の合金組成(75/23/2wt%)を得るには至らなかった。
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Research Products
(3 results)