2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560673
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂東 芳行 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60144002)
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Keywords | マイクロバブル / 気泡塔 / 流動状態 / 酸素移動速度 / 分解性能 |
Research Abstract |
透明アクリル樹脂製気泡塔(内径0.10m×高さ1.00〜4.00m)の底部に加圧ポンプと特殊ラインミキサで構成したマイクロバブル発生装置,そのやや上方にガラス焼結分散器(ミリバブル発生)を設置した.液配管は,物質移動性能の測定では脱酸素用液タンク(内径0.50m×高さ4.00m)から塔に入り上部から排出するようにし,分解実験では熱交換器を備えた循環系とした.気液には,前者では空気-水,後者ではオゾン含有ガス-ジメチルスルフォン酸(DMSO)水溶液を用いた.塔高およびガス速度を変えて,新規購入した工業用硬性鏡・UHP高輝度光源装置を組合せて塔内の気泡挙動を観察し,高速ビデオで撮影した.溶存酸素計のプローブを移動させて塔内の溶存酸素濃度分布を測定し,溶存酸素差から酸素移動速度を算出した.分解実験では,DMSO濃度の経時変化を測定した. マイクロバブルが分散している塔内にミリバブルを共存させると,ミリバブルのウェーク(後流渦)にマイクロバブルが吸収され,塔の上方へ向かうほどマイクロバブルは少なくなった.本発生器内で酸素が過剰に溶存するので,塔の上方へ向かうほど溶存酸素濃度は減少し,塔内での酸素移動速度は負となった.塔入口におけるガス中の酸素濃度を分析したところ,10%程度であり,塔内で放散が起こっていることが確認された.なお,マイクロバブル発生器も含めた装置全体としての酸素移動速度はマイクロバブルを分散させた場合の方がミリバブルの場合よりも高くなった. DMSOの分解実験では,ストリッピングは全く起こらず,ミリバブルよりもマイクロバブルの場合の方が分解速度は高くなった.また,塔高を変えた結果より,分解は発生器内ではなく塔内で起こっており,物質移動律速である本系に対してはマイクロバブルの高い分解性能が確認された.
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