2005 Fiscal Year Annual Research Report
水素を選択的かつ一方向にのみ透過する膜の開発と分離膜反応器への応用
Project/Area Number |
17560675
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
愛甲 涼子 鹿児島大学, 工学部, 教務職員 (50244265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幡手 泰雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00038051)
吉田 昌弘 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (50315397)
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Keywords | 水素透過パラジウム膜 / セラミックス多孔性材 / 無電解メッキ法 / 電解メッキ / 飽和炭化水素脱水素反応特性 |
Research Abstract |
水素透過パラジウム膜反応器の調製とその性能特性の検討: 完全な透過性と高い透過速度を併せ持つ多孔性セラミック支持型パラジウム膜を調製した。セラミック粒子の押し出し成型法によって管状セラミックスを部分的に焼結して、気孔率30〜40%、細孔径1〜20μmのセラミックス多孔性材を基材とした。この基材表面に無電解メッキ法によってパラジウムを付着させ、必要に応じて電解メッキを行って、パラジウム膜厚を調整した。また、安定化と高透過性のためPd膜上に銀の無電解又は電解メッキを施し、高温に加熱して合金化した。代表的な金属表面組成は75%Pd-25%Agであり、その組成はそれぞれのメッキ厚さによって変化した。この管型透過膜を装備した反応器を製作した。反応器内の透過膜の片側に一定組成(0.52〜0.55モル分率)のアルゴンと水素との混合ガス、他方側にアルゴンガスを流通させた。気体温度を350℃〜500℃に変化させ、水素ガスの透過速度を測定した。透過流速は温度上昇に伴って1.2から1.7(cm^3/(cm^2/min))へ増加した。本実験では、両気体の圧力差は一定としたため、透過係数も温度と共に増加することがわかった。 パラジウム水素透過膜の飽和炭化水素脱水素反応特性の検討: 水素透過パラジウム膜の片方側にアルゴンガス、他方に飽和炭化水素とアルゴンの混合ガスを流通させ、飽和炭化水素の脱水素化反応量を測定して、生成した水素ガスの膜透過速度を求めて、炭化水素ガスと反応時間の影響を測定した。反応時間が40分以上に長くなるとパラジウム膜が剥離し、脱水素反応及び水素透過速度が低下することが解った。
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