2005 Fiscal Year Annual Research Report
USYゼオライトの酸性質と活性点構造の解析に基づく次世代クラッキング触媒の開発
Project/Area Number |
17560681
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
片田 直伸 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00243379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 幹 鳥取大学, 工学部, 教授 (10023334)
奥村 和 鳥取大学, 工学部, 助手 (30294341)
中田 真一 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (70312692)
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Keywords | ゼオライト / アルカン分解 / 石油改質 / 固体酸触媒 / アンモニアIRMS-TPD / USY / 芳香族アルキル化 / EDTA |
Research Abstract |
1.固体の酸性質を正確に測定するアンモニアIRMS-TPD(赤外質量分析-昇温脱離)法を開発した。アンモニアを吸着させ、IRスペクトルをモニタしつつ脱離したアンモニアを定量し、Bronsted・Lewis酸それぞれの量と強度を決定でき、さらにはアンモニア吸着によって消失したOHの復活を解析することで、酸性質をもたらすOHの構造に関する情報が得られる。 2.酸型ゼオライトの空気中での脱Al現象が多くの研究者のサンプルで起きていることを発見し、その過程の詳細な解析を行い、触媒学会参照触媒委員会において触媒調製の標準法としてこれを防ぐin-situ酸型ゼオライトの調製法を確立した。 3.芳香族アルキル化触媒として工業的に用いられているゼオライトβのアンモニアIRMS-TPD測定を行い、Bronsted酸量と強度を決定し、構造破壊によって例外的に強い酸点が発現すること、強酸点には結晶欠陥が関与していることなどを見出した。 4.本研究の主題である実用的アルカン分解触媒(USY,超安定化Yゼオライト)について、骨格外Al種の構造解析を16Tの高磁場NMR(核磁気共鳴)で行い、強いBronsted酸点の量と歪んだ四配位種の量が比例していることを見出した。歪んだ四配位種はNa_2H_2-EDTA(エチレンジアミン四酢酸)処理によって増加し、分解活性も向上し、ノルマルパラフィンに対しては現在知られている触媒中で最も高い分解活性を示した。したがって、USYゼオライトのアルカン分解活性点を初めて検出したことになる。 5.モルデナイト型ゼオライトにアンモニアIRMS-TPD法を適用し、結晶中のAl位置と酸性質の関係を明らかにした。小さい細孔に位置する酸点は強い強度を持つことがわかった。 以上のように、各種ゼオライトのBronsted酸点の量と強度を定量し、重要な触媒については活性点の構造も明らかにし、酸性質と活性の間の一般則を研究する準備ができた。
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Research Products
(19 results)