2005 Fiscal Year Annual Research Report
カリックスアレーンのキラリティアーキテクチャーと高機能触媒への応用
Project/Area Number |
17560685
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
後藤 浩一 崇城大学, 生物生命学部, 助教授 (30279377)
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Keywords | カリックスアレーン / キラリティー / 不斉触媒 / エステル化反応 / アミノ酸 / 分子認識 |
Research Abstract |
本研究では、カリックスアレーンを用いた新しい不斉有機触媒の開発を目的とし、アミノ酸のエステル化反応における不斉選択的触媒機能を有するカリックスアレーン触媒の設計と合成を検討した。とくに、マクロ環化合物のカリックスアレーンに、官能基群を非円対称状に導入して不斉識別能を付与する新しい不斉構築法を試みている。本研究で目的としたような不斉カリックスアレーンは、複数の官能基群が適切に円配列していなければならないため、任意の位置に、任意の置換基を導入することが可能な多段階合成法を採用した。まず、p-t-ブチルフェノールとp-クレゾールの二量体と、p-フェニルフェノールの二量体をそれぞれ合成し、置換基(フェニル基、t-ブチル基およびメチル基)の異なる二量体ユニットを合成した。次に、これら二量体ユニットを用いて2+2の分子間縮合反応を行い、包接に適した円錐状の"cone"コンホメーションをとりやすい4員環の不斉カリックスアレーンをラセミ体として得た。現在、脱t-ブチル化とスルホン酸基の導入、水酸基の(エトキシカルボニル)メトキシ基への変換、さらに不斉カリックスアレーンのラセミ体の光学分割を検討している。このようにして得られた不斉カリックスアレーン触媒について、D(L)-アミノ酸をエナンチオマー基質として用い、アルコール中でのエステル化反応(アルコーリシス)における不斉触媒反応を観測する予定である。
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