2006 Fiscal Year Annual Research Report
カリックスアレーンのキラリティアーキテクチャーと高機能触媒への応用
Project/Area Number |
17560685
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
後藤 浩一 崇城大学, 生物生命学部, 助教授 (30279377)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 超分子化学 / 分子認識 |
Research Abstract |
本研究では、マクロ環化合物のカリヅクスアレーンを用いた新しい不斉有機触媒の開発を目的とし、カリックスアレーンに官能基群を非円対称状に導入してエナンチオマー識別能を付与する新しい不斉構築法を検討した。本法による不斉カリックスアレーンは、複数の官能基群が適切に円配列していなければならないため、任意の位置に異なった置換基(フェニル基、t-ブチル基およびメチル基)を導入することが可能な多段階反応による合成を試みた。まず、アルカリ性条件下、p-t-ブチルフェノールにホルムアルデヒドを付加した。得られた5-t-ブチル-2-ヒドロキシベンジルアルコールを、ベンゼン中、P-トルエンスルホン酸存在下でP-クレゾールと脱水縮合して二量体(2-(5-メトキシサリチル)-4-t-ブチルフェノール)を合成した。また、アルカリ性条件下、P-フェニルフェノールとホルムアルデヒドの付加・縮合反応により二量体(3-(3-ヒドロキシメチル-5-フェニルサリチル)-5-フェニル-2-ヒドロキシベンジルアルコール)を合成した。これらの生成物ついては、融点測定、IRスペクトルおよびNMRスペクトル測定より目的物が高純度で得られていることを確認した。さらに、四塩化チタン存在下、ヘキサン中でこれら二量体の分子間縮合反応を行い、包接に適した円錐状の"cone"コンホメーションをとりやすい4員環の不斉カリックスアレーン(5-t-ブチル-11-メチル-17,23-ジフェニル-25,26,27,28-テトラヒドロキシカリヅクス【4】アレーン)をラセミ体として得ることに成功した。
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