2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄並びに血液中からの再生医療用細胞分離膜の調製と幹細胞分離
Project/Area Number |
17560691
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
樋口 亜紺 成蹊大学, 理工学部, 教授 (30189766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江頭 さつき 成蹊大学, 理工学部, 助手 (40407606)
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Keywords | 再生医療 / 細胞分離 / 幹細胞 / 分離膜 / 造血幹細胞 / 末梢血 / 臍帯血 / ポリウレタン |
Research Abstract |
幹細胞は成体の組織に存在しており、組織の再生修復に関与している。このうち、造血幹細胞は自己複製能をもち、全ての血球の母細胞である。現在、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植と多様な幹細胞源を用いた造血幹細胞移植が可能となり、白血病などの難病に対する治療法となってきている。そのために、臍帯血、末梢血中に含有するより未分化の造血幹細胞を純化・分離する細胞分離用機能性膜の調製が必要不可欠となってきている。本研究では、再生医療用細胞分離膜に臍帯血並びに末梢血を透過させて、造血幹細胞並びに間葉系幹細胞の透過率並びに回収率を解析した。 再生医療用細胞分離膜のベース膜として、前年度の研究成果より発泡ポリウレタン膜並びにナイロンフィルター(メッシュ状孔))に焦点を当てて研究行った。このベース膜にプラズマ処理を行い、グリシジルメタクリレート等モノマーを導入した。さらに、膜表面に、表面反応によりa)アミノ基、b)カルボキシル基、c)スルホン酸基、d)水酸基、e)細胞認識ペプチド、を共有結合により固定化した。末梢血のみならず、臍帯血中からの造血幹細胞の分離実験を行なった。末梢血中からの造血幹細胞の濃縮は、高い分離率を示していたが、臍帯血中からの造血幹細胞の分離率は、30%前後と低かった。この原因として、臍帯血固有のタンパク質成分並びに高タンパク質濃度に起因すると考察した。造血幹細胞を回収する時の回収液(血清アルブミン、デキストラン)の濃度が高いほど造血幹細胞の純度は高かった。この原因は、高濃度の回収液は、より高い界面活性効果を示すためであると考察した。臍帯血中から細胞分離膜を用いて造血幹細胞を純化した後に、この造血幹細胞の培養を行ったところ、得られた造血幹細胞は増殖することが確認された。
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Research Products
(6 results)