2005 Fiscal Year Annual Research Report
水素-空気超音速混合における乱流混合機構の解明と応用
Project/Area Number |
17560694
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
新井 隆景 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (10175945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 昇史 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (70244655)
棚次 亘弘 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70013737)
溝端 一秀 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (00271875)
湊 亮二郎 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (20360969)
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Keywords | 超音速混合 / 乱流遷移 / スクラムジェット / 触媒反応 / PIV / シュリーレン法 / 縦渦 / 渦崩壊 |
Research Abstract |
1.「非定常混合場の評価方法の確立と評価」について 空気-水素超音速混合層の混合状態の瞬間的な評価を行う方法を提案し,種々の噴射形状から得られる混合層に対して適用し,その有効性を示した。得られた結果を要約すると以下のとおりである。 (1)触媒反応を用いた本混合評価方法は水素-空気超音速混合層の混合評価に有効であり,本手法により空間的均一度(一様に混合しているかどうか)を評価できる。 (2)混合促進法として,縦渦を導入するAIP噴射器は有効である。 (3)混合促進法として,キャビティー内から噴射するポートホール噴射器は有効である。ただし,キャビティーの形状(直径と深さの比)により,その効果が異なる。 2.「縦渦ならびに衝撃波を用いた混合促進法の提案」について 縦渦を超音速流に導入した場合の速度場について,定量化シュリーレン法とPIVを用いて計測を行った。その結果, (1)縦渦が導入されると平均速度場が変化し,壁面摩擦速度が増加する。 (2)縦渦が崩壊することにより流れ場の循環は急激に減少し,縦渦の大きな組織構造から小さな乱流渦へ変化する。この変化が混合促進に支配的な現象であり,この現象を制御できればさらなる混合促進が期待できる。 3.「壁乱流遷移機構の解明』について 混合機構の解明と密接な関係にある壁乱流遷移機構について実験的に明らかにした。特に,主流乱れが強い亜臨界遷移について以下の事項が明らかになった。 (1)乱流遷移が開始後の壁面摩擦が増加する条件は運動量厚さθと摩擦速度u_τに基づくレイノルズ数θ^+によって決定される。 (2)壁乱流中に存在する縦渦対が乱流遷移を引き起こす重要な構造である。 現在,水素の代替としてヘリウムを用いて,その濃度を高時間分解能で測定する手法を開発しており,その手法を用いて,縦渦対を導入された超音速混合場の混合評価を行う予定である。また,CFDによる超音速縦渦崩壊現象の解明も進行中である。
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Research Products
(5 results)