Research Abstract |
(1)レーザ集光点における高エネルギ密度化および真空槽への導入 (a)光学系の改良による高出力化および真空槽への低損失導入 (1)新たにビームエキスパンダを設計し,ビームを広げることで集光スポット径の縮小をはかることによる高出力化を実現した. (2)ブルースター窓を設計し,これを介してレーザ光を真空槽(圧力10^<-3>Pa程度)へ低反射・高効率で導入する方式を検討した.なお,真空槽窓と集光レンズの手前側にはそれぞれフォトダイオードを設置し,レーザが入射するタイミングおよびパルス波形を随時モニタ出来るようにした.この入射レーザをモニタすることは,レーザがターゲットに入射する瞬間の時間を計測することに相当する.従って,その後に発生する各種現象を測定する際の時間の基準となり,かつ,計測時のトリガ信号にもなり得る. (2)推進性能評価システムの確立 推進性能は,(1)プラズマ放出時のインパルスの測定,(2)放出プラズマの速度の測定,(3)放出プラズマ質量の測定,を行うことで,(4)比推力,ならびに(5)推進効率を算出することによって評価する方法についてそれぞれ検討した.特にこの中でプラズマ速度の見積りが重要なので,このためには次の5種類の方法をそれぞれ独立に検討した.それらの方法は,(a)ターゲットに作用する衝撃力および放出プラズマ質量から推定する方法,(b)静電プローブ(あるいはファラデーカップ)を用いたTOF計測による荷電粒子飛行速度の測定,(c)超高速度ICCDカメラを用いた放出プラズマの観察によるプラズマ平均速度の測定,(d)高速ゲート付きII分光分析器による放出プラズマの診断,などである.これらはいずれの方法も基本的な動作確認を行うことができ,特に,(a)〜(c)は,ある一つの条件について,それぞれの測定結果から得られたイオン速度を比較することができた.その結果,検出可能な範囲での最高イオン速度は約160km/secで,平均速度は30km/secであることが確認された.また,(d)の分光分析では,Alイオン温度が約25,000K程度であることが確認された.この値は,上記(b)の静電プローブ計測結果と同等であることも確認した.
|