2007 Fiscal Year Annual Research Report
高強度レーザ・固体間非線形相互作用による相対論的プラズマビームを用いた宇宙推進
Project/Area Number |
17560700
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山口 滋 Tokai University, 理学部, 教授 (40297205)
|
Keywords | 宇宙推進工学 / 相対論的ビーム / 非線形相互作用 / 高強度レーザ / プラズマ推進 |
Research Abstract |
各種作動条件における推進性ヒおよび機の実験的および理論的評価 実験では前年度までに構築されたプラズマ速度測定ならびに発生インパルス測定装置を用いて速度ならびに比推力を評価した.それらの結果から,各々独立に測定される速度・比推力を用いて,各場合の推進性能および機構を比較検討した.理論解析では,相対論的な粒子を噴射したときに発生する推力・比推力について検討した. (1)各種レーザ照射条件における推進性能の比較・評価 (1)レーザ装置1(Nd:YAGレーザ(波長:1064nm,532nm,パルス幅:5nsec,エネルギ:IJ/pulse)を使用した場合について,(i)パルスエネルギ,(ii)集光スポット径,(iii)複数のレーザ同時照射時のフルエンス(エネルギ密度),(iv)パワー密度,などレーザの照射条件を変化させ,各場合の推進性能を測定・評価し,それぞれの結果について比較・検討した.これらの結果から,最適なレーザ照射条件について考察した. (2)ターゲット電位・空間電位の計測による加速機構の実験的検討 レーザをターゲットに照射したときのターゲット電位の時間変化ならびにターゲット後方の任意の位置における空間電位の時間変化を計測することで,粒子に作用する静電場および静電力の時間的変化を見積もった.その結果から,粒子の速度を見積もったところ典型的な作動条件において約28km/secで,上記の速度測定結果とほぼ一致した.このことから,この場合の主たるイオン加速機構は,ターゲットと噴射プラズマ問に発生する電位差(この場合約+100V)によるものであることが確認された. (3)理論解析による相対論的粒子発生時の推進機構の検討 相対論的粒子発生時の推力・比推力について検討した結果,与えられた入力(あるいはエネルギ)に対して相対論的な粒子で発生可能な推力(あるいはインパルス)は,粒子の速度が光速に近づくにつれて,光のみを真空中に照射したときに得られる光圧(から得られる推力)に漸近していくことが明らかになった.また,特に相対論的な条件化で発生する推力は一定の入力の下では,粒子の質量流量によらないことも確認された.このことから,「直接光推進」という古くて新しい推進概念への新たな挑戦への道が拓けたといえる.
|
Research Products
(1 results)