2006 Fiscal Year Annual Research Report
大型膜面展開宇宙構造物の高精度運動シミュレーションと相似則構築
Project/Area Number |
17560701
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮崎 康行 日本大学, 理工学部, 助教授 (30256812)
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Keywords | 宇宙インフラ / 解析・評価 / 構造工学 / シミュレーション工学 / 膜面構造物 |
Research Abstract |
膜面は軽量性・展開性に優れ,従来から大型展開宇宙構造への適用が期待されてきた.実際に膜面を大型展開宇宙構造物に適用する場合,次の点が構造設計上,問題となる.(1)膜面に発生する数cmオーダーの皺や折癖,展開時の膜面同士の接触(摩擦)が大型膜面のダイナミクスに与える影響,(2)膜面の展開後の安定性,(3)地上で実験が可能なサイズ(数m〜20m程度)との相似則.本研究はこの3点に関する定量的なデータと知見を得る方法を提案し,具体例(ソーラーセイルを例にとる)を示すことを目的として実施した.その成果は以下の通りである. (1)相似則の構築 軌道上や地上試験において膜面に作用する外乱を考慮した詳細な運動方程式を定式化し,そこから相似パラメータを導出した.そして,シミュレーションと,地上(1Gで,1気圧下あるいは減圧下・真空下)における膜面の展開実験から,相似則の妥当性を確認した. (2)膜面の運動に及ぼす各種パラメータの影響 既に膜面のスピン展開やインフレータブルチューブを利用した膜面展開のシミュレーションを過去にも行ってきたが,本研究では研究代表者自身が開発した解析コード"NEDA"だけでなく,汎用ソフト"ABAQUS"でも膜面展開シミュレーションを行い,スピンレートや質:量分布,膜面の折り畳み方等が膜面の展開および展開後の安定性に及ぼす影響を評価した. (3)膜面の皺モデルの妥当性の検証 研究代表者は膜面の皺の解析を効率的に解析できるモデルを提案している.このモデルと,ABAQUSを用いたより詳細な(ただし,計算効率が極めて悪い)モデルによる計算と比較することで,提案するモデルの妥当性を示した. (4)膜面の折り畳み・展開方式の評価法の提案 これまで不可能であった,膜面の様々な折り畳み・展開方式を統一的に評価する評価指標を提案し,現在いくつかの研究機関で提案されている方式の比較評価を行った.
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Research Products
(6 results)