2006 Fiscal Year Annual Research Report
船舶機関室内で異常音に対する機関員の聴取力を向上させる音響監視支援装置の開発
Project/Area Number |
17560708
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木村 隆一 神戸大学, 海事科学部, 教授 (20093544)
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Keywords | 船舶機関室 / 機関放射音 / 妨害音 / マスキング現象 / 聴取支援 |
Research Abstract |
船舶の機関室内で主機関をはじめとする機器の運転騒音により非常に大きな騒音レベルとなっている。これらの騒音により機関員は保全情報となる多くの音を聞き逃しているが、これは大きな騒音が妨害音になり、小さい音を聞き取り難くするマスキング現象によるものである。そこで本研究では妨害音と聴取力の関係を調査すると共に、主機関の運転音を分析してその特徴を把握することから始めた。純音の妨害音による聴取力はその周波数と音圧レベルに大きく影響されることを大学内の学生と職員の協力による聴取能力の実験から明らかにした。次に主機関の運転音を妨害音としたときの人の聴取力を調べた。この結果から聴取力は瞬間的な高レベルの妨害音にも影響を受けることが明らかになった。上記のことから妨害音と聴取力に関する基礎データを収集することができたので、それらのことを考慮してマスキング効果を減少させる手法について検討を行い、失った情報を補償する聴覚監視支援装置の開発へつなげた。さらに本年度は実用域に近づけるための実験を中心に行い、機器の故障音を聴取出来ることを確認した。 得られた成果は日本マリンエンジニアリング学会の学術講演会にて発表を行うと共に、当学会誌の第41巻5号に掲載された。社会に対する発信としては、関連する造船・舶用工業交流会で「舶用機関室内における音響情報の聴取支援」として紹介、神戸大学産学官民連携フォーラムにおける研究成果を「音響監視支援装置」として紹介、地場産業に対して「ものづくり支援セミナ」にて講演などの活動を行った。
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Research Products
(1 results)