2006 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンプラスチック(PBS、PLA)の再成形利用が材質劣化に及ぼす影響
Project/Area Number |
17560725
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宗宮 詮 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40051700)
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Keywords | 環境技術 / 環境材料 / 高分子構造・物性 / 廃棄物際資源化 / 生分解性プラスチック |
Research Abstract |
本年度は、グリーンプラスチックのリユースとグリーンコンポジット作製の応用に関する研究を行った。 1.生分解性プラスチックのポリブチレンサクシネート(PBS)に対して紫外線照射装置を用いることで、紫外線劣化挙動の把握を行った。その結果、紫外線照射時間に伴い、PBSの表面から劣化していくことが確認され、劣化した部分についても分子量が減少していることが熱特性などから確認した。 2.ジュート及び綿糸を使用したグリーンコンポジットの作成手法の改良により、機械的特性を任意に操作することが可能となった。特にジュート麻の撚り、毛羽に着目することで、工業材料として十分な機械的性質を有するグリーンコンポジットの作製を可能にした。 3.生分解性プラスチックを成型する際の成型する際の冷却速度を変化させることで結晶化度を任意に調整することが可能になり、クリープ挙動に及ぼす結晶化度の影響を確認した。 4.PLAが生体内で使用することを考慮して、疑似生体水中で研究を行う。浸漬処理による吸水率の増加に伴い強度が顕著に低下することが確認され、水分が強度に及ぼす支配的因子であることが確認された。また、吸水が疲労強度を著しく低下させることも明らかにした。しかし、それらの強度低下は、生体環境下での長期使用条件を満たすことが確認された。 5.リユースに関する研究を本年より実施した。PBS板を本年度購入した粉砕器によりペレット化し、再成形を繰り返したところ、5回の再成形では強度がほとんど変化しないことを確認した。リユースする際。使用中に劣化が発現した場合における再成型を把握するため、途中吸水させた材料のリユースに関する研究を行った。吸水がリユース材に及ぼす効果は確認できたが、定性的・定量的評価は行えていないため、次年度により詳細な検討を行う必要がある。
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Research Products
(6 results)