2007 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンプラスチック(PBS、PLA)の再成形利用が材質劣化に及ぼす影響
Project/Area Number |
17560725
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宗宮 詮 Keio University, 理工学部, 教授 (40051700)
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Keywords | 環境技術 / 環境材料 / 高分子構造・物性 / 廃棄物際資源化 / 生分解性プラスチック |
Research Abstract |
本年度はグリーンプラスチックの再成形利用が材質劣化に及ぼす影響に関する研究を行った。1.PLAのリユースについて、昨年度は再成形を5回繰り返しても強度の低下が見られないことが明らかにした。本年度は、過酷な環境状態を考慮して、吸水し、加水分解を発生過程を入れ、再成形があたえる強度変化の研究を行った。この結果、吸水により強度の劣化が発生しても、再成形により吸水膳の強度に戻ることが確認されたが、加水分解により劣化した材料は再成形前の強度に依存することが明らかとなった。2.昨年度までのグリーンプラスチックではジュート繊維の糸の内部への樹脂の浸透が完全ではなかったため、本年度は水分散型PLAを用い、ジュート繊維内部に樹脂を含浸させることによって、引張強度でポリカーボネートと同等の強度を有する材料の作成手法を開発した。また疲労強度についても綿糸強化PLAと同等の結果を有するグリーンプラスチックの作成を可能とした。3.結晶性高分子であるPLAを使用したため、結晶による材質改善の可能性を検討した。本年度は結晶化度を調整したPLAを用いることで、結晶化度と吸水・加水分解特性の関係を確認した。その結果、結晶化度が高いほど加水分解挙動が促進されることが明らかとなった。4.昨年度までは結晶化度がクリープ特性に及ぼす影響の把握を行っていたが、本年度は結晶化度のみならず、結晶粒径を考慮したクリープ特性の把握を行った。その結果、結晶粒径、結晶化度に依存して、クリープ挙動が変化することが明らかとなった。5.グリーンプラスチックに関するLCAの基礎データの収集を目的として、文献調査を行ったが、体系化するには至らなかった。
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Research Products
(3 results)