2005 Fiscal Year Annual Research Report
廃プラスチックを汎用性化学原料へ変換するモノマーリサイクル法の研究
Project/Area Number |
17560727
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Research Institution | Research Institute for Production Development |
Principal Investigator |
奥 彬 (財)生産開発科学研究所, 資源再生研究室, 研究員 (50027885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 裕子 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (10202904)
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Keywords | 炭水化物 / 天然ゴム / グリセロール / グルコース / 化学リサイクル / モノマーリサイクル / ポリカーボネート / 環状炭酸エステル |
Research Abstract |
研究計画1の途中経過と成果:ポリカーボネート(PCと略記)を炭水化物と複合的に化学原料化する試みとしてグリセロールをモデルに選び、PCから炭水化物へ炭酸ユニットだけを移動して環状炭酸エステル化を行い、残ったモノマーのビスフェノールAを定量的に回収する反応を検討した。その結果、期待どおりの結果を定量的に得る反応条件を見出した。このことは、廃PCを高炉還元剤や焼却エネルギー回収用に最終利用するまえに高価値の化学原料用途が多くあることを示し、PCの化学的再生循環ルートへ取り組む必要があることを明らかにした。 研究計画2の途中経過と成果:上の成果を受けて、PC炭酸ユニットを受容する炭水化物材料を拡張するために、はじめにグルコース(GL)を炭水化物に炭酸ジフェニル(DPC)をPCモデルに選んで検討した。その結果DPCの炭酸ユニットはGLに取り込まれることがわかった。GLの複数の水酸基のうちどれに環状炭酸エステルが形成されるのかを現在分析中である。 研究計画3の途中経過と成果:シリコーンゴムの架橋構造を解重合することに先立ち、超臨界二酸化炭素を利用した天然ゴムを中心とするジエン系ゴム加硫物のケミカルリサイクルを検討した。その結果、超臨界CO2を反応媒体とすれば脱架橋試薬ジフェニルジスルフィドをゴム架橋体に高濃度かつ均一に導入できることを見出し、使用済みトラック用タイヤゴムからもルーズに架橋した混練可能なゲル成分と分子量数万のゴム分から成るリサイクル物質が得られ、ブレンド法を用いて再利用可能になることを明らかにした。この結果を学会で発表し、持続可能な社会の構築には"天然ゴム"も一つの重要な物質であて、その生産維持と再生循環の両面からのアプローチを担う「サステイナビリテイ科学」の重要性を強調した。
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Research Products
(6 results)