2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560732
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
田口 政義 日本大学, 生産工学部, 教授 (30154959)
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Keywords | 電流駆動 / プラズマ / 高周波 / 揺動 / 異常輸送 / DIA / トカマク / 核融合 |
Research Abstract |
本研究は、揺動の存在下での電流駆動理論を第一原理から構築することを目的とし、本年度は以下の研究をおこなった。 1.揺動についてアンサンブル平均した分布関数のみたす方程式 揺動のRF駆動電流への影響についてのこれまでの研究の多くは、拡散項をad-hocにFokker-Planck方程式に加えて議論するものであった。今回の研究では、相対論的Fokker-Planck方程式からスタートし、直接相互作用近似(DIA)を用いて、揺動についてアンサンブル平均した分布関数のみたす方程式を求めた。この方程式は、揺動の弱い領域では運動量空間で非局所的な拡散方程式になるなどの特徴をもつ。 2.RF駆動電流の径方向分布 1で求めた方程式を用いて、与えられた電場や磁場の揺動の相関関数に対して、RFにより駆動される電流の径方向分布やその広がりの標準偏差などを衝突周波数や揺動の振幅、相関長などの関数として求めた。 3.RF駆動電流密度に対する拡散方程式 電流駆動に対する揺動による異常輸送の効果があまり強くないとき、RF駆動電流密度に対する拡散方程式を導いた。この拡散方程式から得られる結果と2の結果とを比較し、運動論的方程式に比して取り扱いの格段に容易な電流密度に対する拡散方程式が有効であることを示した。また2の議論では、クーロン衝突項に対して高速粒子近似を用いているが、バルク粒子にも対応できるようにFokker-Planck衝突項の一般化を行い、拡散方程式の拡散係数を求めた。 4.DIAを越える近似法 揺動電場や磁場による粒子捕捉の効果が無視できなくなる領域ではDIAを越える近似法が必要になる。経路積分法を用いたDIAによるclosure理論にサブアンサンブル平均の考えを取り入れ、粒子軌道の効果を考慮した揺動電場による粒子拡散の理論を構築した。ここで得られた考え方を電流駆動の理論へ応用することを来年度の研究で行う。
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Research Products
(4 results)