2007 Fiscal Year Annual Research Report
圧力駆動型モードによる巨視的構造変化に対する自発的ゾーナルフローの効果
Project/Area Number |
17560736
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
市口 勝治 National Institute for Fusion Science, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (90211739)
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Keywords | 磁場閉じ込め核融合プラズマ / 非線型数値シミュレーション / 電磁流体力学(MHD) / 圧力駆動型モード / メルシエ条件 / 国際情報交換 / アメリカ |
Research Abstract |
本年度では、本研究課題に関連する以下の4点の項目について研究を行った。 1.プラズマ圧力上昇時の圧力分布の構造変化に伴う自発的安定性改善 昨年度において開発したマルチスケール非線型MHD時間発展手法を用いて、線型交換型モードに対して不安定なヘリオトロンプラズマの、圧力上昇時における圧力分布の構造変化を調べた。この場合、線型不安定領域で圧力分布の局所的平坦化が生じ、そのために、その領域での線型安定性が自発的に改善される。今年度は特に異なる加熱分布に対する安定化の様子に着目した。その結果、圧力分布にかかわらず、ある一定の安定性指標を持つように自己組織化することが得られた。 2.圧力駆動型モードであるバルーニングモード及び非共鳴モードの線型解析 へリオトロン配位であるLHD装置における実験では、ペレット入射による粒子補給を行う場合、崩壊現象を生じることがある。この崩壊現象も大規模構造変化であり、そのメカニズムを明らかにするため、今年度では、線型解析を行った。その結果、大規模な崩壊現象が観測される場合には、バルーニングモードと思われるモードが不安定になり、磁気軸近傍でのみ、崩壊する場合には、非共鳴モードが不安定になっていると考えられる。来年度においては、これらのモードを精査し、非線型発展を追跡する予定である。 3.圧力駆動型モードによる磁気島構造への構造変化の定式化 交換型モードの非線型飽和時には、駆動型磁気再結合のために磁気島構造が形成される。このメカニズムに対して、摂動量に対する適切なオーダリングを導入することにより、解析的にこの磁場構造変化を定式化することができた。 4.交換型モードによる自発的ゾウーナルフロー解析のための数値計算コードの改良。 ゾーナルフローを物理的に正しく評価するために、粘性を含む簡約化MHD方程式系において、適切な境界条件を数値コードに組み込んだ。さらに、時間発展法の改良も行い、角運動量の誤差を小さく抑えることに成功した。
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