2008 Fiscal Year Annual Research Report
圧力駆動型モードによる巨視的構造変化に対する自発的ゾーナルフローの効果
Project/Area Number |
17560736
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
市口 勝治 National Institute for Fusion Science, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (90211739)
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Keywords | 磁場閉じ込み核融合プラズマ / 非線型数値シミュレーション / 電磁流体力学(MHD) / 圧力駆動型モード / マルチスケール数値手法 / 非共鳴不安定性 / 国際情報交換 / ゾーナルフロー |
Research Abstract |
本年度では、本研究課題に関連する以下の研究成果を得た。 1.非共鳴圧力駆動型不安定性の非線型数値解析 昨年度までに開発した圧力上昇効果を含むマルチスケール非線型解析手法を用いて、核融合科学研究所のLHD装置の実験で得られている結果の解析を行った。LHD実験では、中心付近において非共鳴のモード数を持つ巨視的な揺動が観測されている。そこで、まず線型解析を行い、この非共鳴モードの発現メカニズムを明らかにした。この知見を基に、マルチスケール手法を用いて非線型時間発展を追跡し、圧力上昇時において、この非共鳴モードが鋸歯状振動を起こしうることを示し、実験で得られた揺動がこの非共鳴モードによることを明らかにした。 2.圧力輸送方程式を組み込んだ圧力上昇マルチスケール解析手法の開発 昨年度までに開発した、圧力上昇効果を含むマルチスケール解析手法を改良して、連続加熱と背景平均圧力の散逸効果を取り入れられるようにした。この結果、圧力発展方程式の各成分のうち、平均圧力に対する方程式は、これらの効果を含む輸送方程式となり、電磁流体力学的な枠組みの中に、輸送現象の効果を取り込むことができるようになった。 3.圧力駆動型モードによるゾーナルフロー解析。 圧力駆動型モードによる自発的ゾーナルフローの解析には、全角運動量の保存精度が重要である。昨年度、境界条件を改良することによって、数値誤差を小さくしたが、その後、L.Garciaによるコードとのベンチマークを行う機会があり、まだ、誤差が大きいことが判明した。数値計算コードを精密に調べて改良を重ねた結果、上記コードと同程度の誤差に収まるようになった。今後、このコードを用いることによって、ゾーナルフローの解析を進めることが可能となった。
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