2006 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素を含む自然混合流体を用いた給熱システムの設計
Project/Area Number |
17560753
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Research Institution | Nihon University Junior College |
Principal Investigator |
栗原 清文 日本大学短期大学部, 応用化学科, 教授 (50186508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 弘幸 日本大学, 理工学部, 助手 (50339256)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 混合熱 / 給熱システム |
Research Abstract |
本研究は二酸化炭素の臨界点近傍で二酸化炭素とジエチルカーボネートとを混合させたときに現れる大きな発熱に着目し,この熱効果を利用した環境対応型の給熱システムを開発することを目的として着手したものである.本年度は,昨年度までに設計した流体のサイクルシステムのさらなる検討に加え,二酸化炭素に組み合わせる溶剤の検索とシステムの完成を目的として次の諸項を行った. 1.昨年度単管方式から多管方式に改良した混合部に水冷式熱交換器を組み合わせて,両流体の混合により発生した混合熱の回収を試みた.また,内部に5μmのフィルターが内蔵されたセルを新たに設置し,混合のさらなる効率化を図った.以上の改良を行ったシステムを用いて,混合部温度303K,混合部圧力5.0MPa,総流量0.3-0.4mol/minにて混合熱回収実験を行った.その結果,本年度えられた最大回収熱量は流量0.4mol/minにおいて3838J/molであった.この値は単管方式における最大回収熱量5785J/mol(総流量0.2mol/min)に比較して低い値となり,総流量のアップによる回収熱量の増加には至らなかった.これは多管方式の混合部の管径が細くために流体の流速が速く,かつ管長が十分でないため,流体の混合が十分でなかったためであると考え,本年度の結論としては,単管方式による熱交換器を採用することとする. 2.二酸化炭素と組み合わせる流体としてジアルキルカーボネート以外に大きな熱効果が得られるかどうかの検索を,混合熱の測定を通して行った.本年度は二酸化炭素にエーテルとしてDiisopropyl ether(DIPE)を組み合わせて温度298-308K,圧力5.0-7.5MPaにおける混合熱の測定をアイソサーマルマイクロカロリメータを用いて行った.その結果,本系の発熱の最大値は298K,5.0MPaにおいて8.0kJ/molであり,二酸化炭素+ジアルキルカーボネート系に比較してやや発熱量が減少したが,溶剤検索における一定の成果をえた.
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Research Products
(3 results)