2006 Fiscal Year Annual Research Report
動原体構造異常オオムギ染色体を利用した機能的な動原体DNA配列の特定
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17570005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
那須田 周平 京都大学, 農学研究科, 助手 (10273492)
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Keywords | セントロメア / ネオセントロメア / キネトコア / クロマチン免疫沈降 / オオムギ / 構造異常染色体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、正常オオムギ染色体、オオムギ端部動原体染色体7HS、動原体領域に構造異常を持つ染色体(7HS*)の機能的動原体配列の比較により「オオムギ染色体の動原体機能に必要なDNA配列は何か?」を明らかにすることであった。はじめに、正常オオムギ染色体で動原体機能を担っているDNA配列の特定を動原体特異的ヒストンH3(CENH3)に対する抗体を用いたクロマチン免疫沈降法(ChIP法)で明らかにした。その結果、正常オオムギ染色体の動原体領域に他コピー存在することが知られているcerebaレトロトランスポゾンと(AGGGAG)nサテライト配列が統計的に有意なレベルでCENH3と相互作用していることが明らかになった。この結果は学術雑誌Chromosomaに受理された。研究期間中に構造異常7HS*染色体の動原体配列の特定には至らなかった。その理由として、(1)6倍体コムギでのChIP法の不調、(2)ChIP法を適用するに十分なフローソート後の7HS*染色体を集積できなかったこと、(3)フローソートした染色体の純度不足が挙げられる。これらの難点をバイパスすべく、フローソートした染色体DNAをwhole-genome amplification法で増幅し、テロメア側から動原体配列を単離することを試みた。テロメア近傍配列のクローン化には成功しているが、7HS*染色体の動原体配列と特定できるだけの断片長を持ったクローンは得られなかった。さらに、7H染色体の微小管付着部位を観察することにより、7HS*染色体の動原体がネオセントロメアであろうことを再確認した(投稿準備中)。
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Research Products
(1 results)