2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17570007
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
駒野 照弥 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 客員教授 (00087131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 伸久 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 助手 (50244413)
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Keywords | 遺伝学 / 細菌 / IncI1プラスミドR64 / 接合伝達 / シャフロン |
Research Abstract |
IncI1プラスミドR64の54kbの接合伝達領域は、49個の遺伝子を含む。そのうち24遺伝子が表面接合伝達に必須であり、液内接合伝達にはさらにIV型線毛をコードする12個のpil遺伝子群が必要である。IV型線毛の先端に局在するPilVアドヘシンのc末部はシャフロンのDNA多重逆位により7種に変換する。平衡時の7種pilV遺伝子の存在頻度は不均一である。 R64シャフロンのsfx組換え配列は非対称である。2種のsfx配列を逆向きに配した人工ミニシャフロンを持つプラスミドを作成し、Rciの存在下での正逆方向へのin vivo逆位過程を調べた。左アームの等しいsfx配列を持つミニシャフロンの場合は、正方向または逆方向から出発した場合も平衡時には正逆等しい頻度のプラスミドが得られた。左右とも異なるsfx配列の場合には、正逆いずれから出発しても、正逆いずれかに偏った平衡に達した。これらの結果は、シャフロンsfxにおける左右アーム配列の相違による組換え速度の違いが、細胞集団中での7種のpilV遺伝子の存在頻度を決定している可能性を示す。 R64接合伝達の開始にはNikAタンパクの伝達起点oriTへの結合が必須である。SELEX法により予想されたNikAの認識配列ACGGTAは、NMR解析により明らかになったNikAのN末端領域(NikA1-51)二量体によるリボン-ヘリックス-ヘリックス(RHH)構造によって認識されていると考えられる。この配列を5塩基離して直列に並べたDNAプローブを作成すると、NikA1-51二量体2個分の結合が観察された。完全長NikAでは、そのC末端側領域の相互作用による四量体化が、oriTコア配列中のACGGTA配列を1個しか持たない非対称な17塩基のリピートA配列への結合を可能にしていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)