2005 Fiscal Year Annual Research Report
Myb転写因子を介した植物の細胞分裂制御の分子機構
Project/Area Number |
17570032
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 正樹 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (10242851)
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Keywords | 細胞周期 / 植物細胞 / 細胞増殖 / 転写制御 / シロイヌナズナ / 細胞質分裂 |
Research Abstract |
植物はMyb転写因子をコードする大きな遺伝子ファミリーを持っているが、そのうちMybドメインが3つの繰り返し配列から構成されるMyb(3R-Myb)が小さなサブファミリーを形成しており、それらが細胞周期のG2/M期特異的な転写制御に関わっていることを明らかにしてきた。3R-Mybは構造的、機能的に3種類(A-type、B-type、およびC-type)に区別できる。本研究ではそれらのMybの機能、作用の分子機構、および協調的に作用する相互作用因子の同定を目的とした。 1.タバコ培養細胞BY-2のプロトプラストを用いた一過的発現系により、C-type 3R-MybがサイクリンBプロモーターを抑制することを新たに示した。 2.3R-Mybを過剰発現するBY-2細胞を形質転換により作成し、各種細胞周期関連遺伝子のmRNAレベルを解析した。全長のタンパク質を発現させた形質転換体では、顕著な遺伝子発現の変化するものは見られなかったが、A-type 3R-MybのC末端領域に存在する負の制御領域を削ったタンパク質を発現させたものでは、サイクリンBをはじめとする複数のG2/M期特異的遺伝子の発現が上昇していた。このC末端欠損型A-type 3R-Mybのほか、B-typeおよびC-typeの3R-Mybの過剰発現体を用いてマイクロアレイ解析を次年度行う予定である。 3.シロイヌナズナはA-type 3R-Mybをコードする遺伝子を二つ持っている。これら遺伝子を同時に破壊した二重破壊株ではサイトキネシスに欠損を持つことを以前から示してきたが、今年度、この二重破壊株が植物のサイトキネシスを阻害することが知られているカフェインに対して超感受性を示すことが明らかになった。来年度はこれを利用して二重変異のエンハンサー変異やサプレッサー変異を探す予定である。
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Research Products
(4 results)