2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17570034
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上口 美弥子 (田中 美弥子) 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 研究員 (70377795)
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Keywords | ジベレリン細胞内受容体 / ジベレリンシグナル伝達 / シグナル制御因子 / ジベレリン非感受性変異体 |
Research Abstract |
本研究は、ジベレリン(GA)のシグナル伝達機構を解明することを目的とする。 (1)GAシグナル伝達因子のGA結合能の解析 今までに、単離、解析してきたDELLAタンパク質(SLR1),GID1,GID2の内いずれかが、GAの受容体である可能性について解析した。 1)in vitroにおけるGA結合活性を調べた結果、GID1のみがGAに結合し、SLR1,GID2は、結合しなかった。 2)活性型GAの一つであるジヒドロGA_4に対するK_d値は、約、10^<-6>Mであり、in vivoでの反応性とほぼ同等であった。 3)活性型GAには高い親和性を示し、不活性型GAには低い親和性を示した。 4)変位型アリルに対応する変異型GIDタンパク質は、GAと結合しなかった。 5)GID1過剰発現体形質転換イネは、GAを過剰に与えたような徒長型の形質を示した。 (2)GID1タンパク質とSLR1タンパク質との相互作用 GA存在下でのイースト・ツーハイブリッドを行い、GID1とSLR1が、GA依存的に相互作用することを明らかにした。 (3)GID1,SLR1タンパク質の構造解析 GID1,SLR1タンパク質を大腸菌で多量に合成し、現在結晶化の予備実験をほぼ終了した。 (1)、(2)の結果より、GID1が、GAの細胞内受容体であると結論した。また、GAのシグナル伝達は、1)細胞内受容体であるGID1にGAが結合することが引き金になって、GID1がSLR1に結合し、安定的なGID1-GA-SLP1複合体を形成する、2)その複合体が、特異的にSCF^<GID2>のターゲットとなり、ユビキチン依存的に分解され、ジベレリン応答がおこる、の2段階からなることが推定された。
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Research Products
(4 results)