2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17570035
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嶋田 知生 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20281587)
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Keywords | 液胞タンパク質 / 緑色蛍光タンパク質 / 選別輸送レセプター / タンパク質蓄積型液胞 / 貯蔵タンパク質 / AtVSR1 / シロイヌナズナ / 突然変異体 |
Research Abstract |
高等植物は種子に貯蔵タンパク質を大量に蓄積し,発芽後の窒素源として利用している.種子の登熟期に貯蔵タンパク質は小胞体でプロ型前駆体として合成され,タンパク質蓄積型液胞に運ばれ,プロセシングを受けて成熟型になる.タンパク質蓄積型液胞への選別輸送に関わる輸送レセプターAtVSR1が知られているが,具体的な分子機構は不明である.本研究では選別輸送に関わるシロイヌナズナ変異体を新たに単離しその解析を行った.液胞型の緑色蛍光タンパク質(GFP)を種子特異的プロモーターで発現させるとタンパク質蓄積型液胞が可視化される.これを親株とした蛍光パターンの異なる変異体のスクリーニングを行い,幾つかの変異体を単離した.GFP蛍光が細胞外に見られる変異体では貯蔵タンパク質の前駆体が蓄積していた.これらの変異体ではatvsr1変異体と同様に,貯蔵タンパク質自体も細胞外に分泌され前駆体になっていると考えられる.これらの変異体の原因遺伝子をラフマッピングしたところ,現在のところ4つの異なる遺伝子座に由来することが明らかとなった.このうちATVSR1遺伝子座の近傍にマップされる3つの変異体アリールが存在した.AtVSR1特異抗体を用いたイムノブロット解析から,こららの変異体の種子ではAtVSR1が欠損または減少していることが確認された.これらの変異体のAtVSR1遺伝子を解析したところ,アミノ酸置換を伴う塩基置換が確認された.atvsr1変異体との相補実験により,実際にAtVSR1がこれらの変異体の原因遺伝子であることが確認された.他の変異体の原因遺伝子はAtVSR1とともに機能する因子をコードしている可能性が示唆された.
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Research Products
(3 results)