2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17570041
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
鐘ヶ江 健 首都大学東京, 理工学研究科, 助手 (70264588)
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Keywords | 植物 / 発生・分化 / 光受容体 / シグナル伝達 / 環境応答 |
Research Abstract |
従来植物では、フィトクロムと青色光受容体が独立に固有の吸収波長域の光シグナルに対応して情報を伝達し、時には協調的に、時には競合的に光形態形成反応の調節を行っていると考えられてきた。しかしながら我々は、独立に受容されると考えられていた波長域の光を一分子内で受容できるレセプター(PHY3)の存在の可能性を提示した。そこで本研究課題では、この可能性を植物体での生理機能として検証することを目的とした。 PHY3が赤色光受容体・青色光受容体としての機能を有しているかどうかを検証するために、シロイヌナズナphot1-5 phot2-1 2重突然変異体にPHY3を導入し、胚軸の光屈性を指標として光生理反応を調べた。その結果、PHY3を導入したシロイヌナズナでは青色光・赤色光のどちらでも光屈性を誘導することができ、PHY3はフィトクロムとフォトトロピンの両方の機能を1分子で有する光受容体であることが明らかになった。さらに、単独では光屈性を誘導できない弱い赤色光と青色光を同時に照射すると、光屈性が誘導されることが判明した。この相乗的効果は、形質転換植物体の膜画分におけるPHY3の自己リン酸化シグナルの強度と相関があることも示された。これらの知見から、赤色光情報と青色光情報がPHY3分子内で相乗効果を生み、弱い光にも応答できるようになることが明らかとなった。PHY3はシダ植物固有の光受容体であり、PHY3がシダ植物の弱光環境適応戦略の一端を担う鍵分子であることが想像される。
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Research Products
(1 results)