2005 Fiscal Year Annual Research Report
SWI/SNF複合体による、AP-1の多機能性発現の制御機構
Project/Area Number |
17570104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 太二 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60343109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊庭 英夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60111449)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 蛋白質 / AP-1 / SWI / SNF複合体 / p54^<nrb> / RNA / paraspeckle |
Research Abstract |
本年度は、AP-1結合配列を持つ標的遺伝子の発現誘導に刺激特異性が見られる現象を支える分子機構を解明すべく、SWI/SNF複合体にsubstoichiometricalに結合する因子の同定と生化学活性の解析を行った。 FLAGタグを付加したBRG1もしくはBrmサブユニット(SWI/SNF複合体のATPaseサブユニット)を293T細胞に導入・発現させ、抗FLAG抗体を用いた精製を行いこれらにsubstoichiometricalに結合する因子としてp54^<nrb>を同定した。p54^<nrb>は精製したSWI/SNF複合体とin vitroで結合できる。そして、こうした結合には2つのRNA認識部位を含んだp54^<nrb>タンパク質のN端領域で十分であった。最近、p54^<nrb>はparaspeckleと呼ばれる核内構造体にも局在すること、mRNA中の一部の配列が分子内でヘアピン構造を形成するとAdenosine deaminase(ADAR)によって高度に'A to I'のeditingが行われ、editingされたRNAはparaspeckleに保持されることにより転写後制御がなされることが報告された。これまでに我々は、SWI/SNF複合体構成成分であるBRG1やBAF60aの中にはParaspeckle protein 2(PSP2)と共局在するものがあることを見出した。すなわち、SWI/SNF複合体は染色体上で、クロマチン構造変換因子として機能してAP-1の標的遺伝子の転写制御を行うばかりではなく、それに引き続き一部のRNA転写産物にも作用して、quality control、RNA editingを行うという新たな生化学活性を持つ可能性が高い。現在、転写後の制御にこのようなcis-preferenceがみられるようなAP-1標的遺伝子群を検索して、SWI/SNF複合体がp54^<nrb>と結合することがこれらの標的遺伝子の刺激特異的な発現誘導に重要であるか、検証を行っている。
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Research Products
(1 results)