2005 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物初期胚の予定後脳におけるシグナルセンター形成の分子機構
Project/Area Number |
17570170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
弥益 恭 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60230439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二階堂 昌孝 埼玉大学, 理学部, 助手 (70344950)
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Keywords | 発生生物学 / ゼブラフィッシュ / 脳形成 / 遺伝子発現制御機構 / 後脳 / 菱脳節 / ミュータジェネシス / トランスジェネシス |
Research Abstract |
1.hoxblbについては、遺伝子下流に存在するd1領域及びd4領域の各々に見られるレチノイン酸応答配列(RARE)を、欠失あるいは塩基置換により破壊し、導入胚での転写活性化能を検討した。その結果、d1、d4領域のいずれの場合もRAREの破壊により後脳特異的な転写活性化能が消失することから、これら2領域の調節能はRAREを介していることを示した。また、hoxblbの上流に調節領域がさらに2カ所存在することを見出した。 2.fgf8遺伝子の下流に存在する後期MHBエンハンサー領域の内部構造を、様々な欠失導入により検討した結果、このエンハンサー領域内に、中脳・後脳全体で発現を活性化する領域(BH1)と中脳前方及び後脳後方での発現を抑制する領域(E2)が含まれること、BH1にはPax2結合部位が存在し、これがMHBエンハンサーの活性に必要なことを示した。また、やはり遺伝子の下流に、神経管後方及び終脳後端での発現を活性化する領域を見出し、その活性にCdx結合配列が必要であることを示した。 3.pou2遺伝子の上流2.3kb内に少なくとも4カ所のオクタマー結合配列があること、このいずれにもPou2タンパク質自身が結合することをEMSA法により見出した。また、2.3kb領域内には後脳内での発現の活性化領域が複数存在することを欠失導入実験により示した。以上より、pou2の発現調節の一部としてポジティブフィードバック機構があることを示唆した。 4.ENU処理魚の子孫について突然変異体スクリーニングを進めた結果、既知の変異体と類似した変異体に加えて、中脳・咽頭弓・心臓に異常を示すaa6k、卵割・エピボリー・背腹軸性に異常を示すbb29b等、新規の変異体を同定した。現在、これらの変異体についてアウトクロスを行い、マッピング及びポジショナルクローニングの準備を進めている。
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[Book] ウィルト 発生生物学2006
Author(s)
Fred H.Wilt, Sarah C.Hake(赤坂, 大隅, 八杉監訳, 弥益分担)
Total Pages
388
Publisher
東京化学同人