2005 Fiscal Year Annual Research Report
虹彩色の人種間の違いが色の見えに及ぼす影響について
Project/Area Number |
17570199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Siebold University of Nagasaki |
Principal Investigator |
庄山 茂子 県立長崎シーボルト大学, 国際情報学部, 教授 (40259700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栃原 裕 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (50095907)
川口 順子 高知女子大学, 生活科学部, 助手 (70347657)
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Keywords | 生理的多型性 / アクセシビリティ / 虹彩色 / 色彩弁別能力 / 100hueテスト |
Research Abstract |
IT社会の発展に伴い、Webサイトのアクセシビリティは大変重要になってきている。Webサイトだけでなくさまざまなデザイン分野の規格においてもアクセシビリティの視点から視覚特性に配慮する必要がある。そこで、本研究は目の虹彩の色の違いに着目した。人種により、肌や髪の色が異なるように目の色も、黒、青、緑、茶など様々である。この目の色の違いは、目に入る光の量を調節する「虹彩」部分の色が異なるためである。虹彩は、眼球の角膜と水晶体の間にあり、その色はメラニン色素の量で決まる。メラニン色素が多ければ黒く見え、少なければ、青っぽく見える。皮膚や目に存在するメラニン色素は、紫外線から肌や目を守る役目をしている。メラニン色素の少ない人種は、多い人種よりも光を眩しく感じるため、日常的にサングラスを着用したり、直接照明ではなく間接照明を好むといわれている。このメラニン色素の量の違いは、色の見え方に何らかの影響を及ぼしているのではないかと考えられる。そこで、本研究では、100hueテストを用いて虹彩の色の違いが色の見え方に及ぼす影響を検討した。平成17年度は、長崎県と高知県において虹彩色が青、緑系の白人女性23名、・虹彩色がライトブラウン系の女性7名、虹彩色が茶系の黄色人(日本人)女性30名を対象に視力検査ならびに100hueテスト(約500Luxと約30Luxの照度2条件)を実施した。これらの調査結果を統計的に処理し、それぞれの照度ごとに虹彩の色の違いによって、100hueテストの総偏差点に有意差が認められるか、ならびにそれぞれの虹彩の色ごとに、照度2条件の違いによって、100hueテストの総偏差点に有意差が認められるか分析を行っている。また、総偏差点だけでなく100色別に有意差が認められるか分析を行っている。平成18年度の研究では、平成17年度実施した調査結果を詳細に分析し、問題点等を明らかにし、それらを基に新たな調査計画が必要であると考えている。
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