2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580021
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大釜 敏正 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 教授 (60093209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 文雄 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 教授 (90159608)
野田 勝二 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助手 (30361439)
寺内 文雄 千葉大学, 工学部, 助教授 (30261887)
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Keywords | バラ / 香気成分 / 官能検査 |
Research Abstract |
多様な香りを発散するバラの香りが有するイメージの構造をセマンティック・ディファレンシャル(SD)法を適用して調べた。まず、筆者らが木材のニオイの評価に用いた尺度および花の香りの官能評価に関連する既往の諸研究をもとに、両極の評価尺度27対および単極の評価尺度11対を選定した。ついで、香料専門家の意見を参考に両極15対および単極2対の評価尺度を構成した。 実験に用いたバラの香りは、香気組成の異なるスパイシー、ブルー、フルーティ、ティ、ダマスク・モダンおよびダマスク・クラシックの6種類である。これらの原液をエチルアルコールで5パーセントに希釈したものを実験に供した。官能検査は、ニオイ紙法を用いて行った。被験者は、大学生男性22名、女性23名の計45名を対象とした。試料はランダムとなるよう被験者に呈示した。 得られた結果を因子分析した結果、3因子が抽出された。第1因子は、やわらかい-かたい、まろやかな-刺激的な、ソフトな-鋭い、快い-不快、などで構成されることから、「認容性(快・不快)」と命名した。第2因子は、濁った-澄んだ、くすんだ-鮮やかな、上品な-下品な、さわやかな-暑苦しい、調和の悪い-調和のとれた、からなることから、「質(ニオイの種類)」と命名した。第3因子は、強い-弱い、淡泊な-深みのある、華やかな-素朴ななどから構成されることから、「強さ」と命名した。これらの因子は、ニオイのもつ性質と一致する。 現在、実験精度を高めるため、上記測定を続けるとともに、次年度の計画である生理学的および生化学的実験に向けた予備実験を行っているところである。
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