2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580021
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大釜 敏正 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 教授 (60093209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 文雄 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 教授 (90159608)
野田 勝二 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助手 (30361439)
寺内 文雄 千葉大学, 工学部, 助教授 (30261887)
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Keywords | バラ / 香気成分 / 官能検査 |
Research Abstract |
多様な香りを有するバラの香りは、どのようなイメージ空間で捉えられていて、生理学的及び生化学的にどのような影響を及ぼすのか、について検討した。得られた概要は以下のとおりである。 1.イメージ構造の検討には、セマンティック・デファレンシャル法を用いた。評価尺度は、既往の文献及びパーヒューマーの助言をもとに、両極15対及び単極2対を選定した。現代バラ6種の香りについて官能検査を行い、因子分析を行ったところ3因子が抽出された。それらは、「総合的な評価」、「質」及び「強さ」を表していて、ニオイのもつ性質とほぼ対応する。男女間で評価に違いがみられたのはダマスク系の香りで、ティーの香りにはほとんど差はなかった。単極尺度を含めて男女とも評価が高かったのはブルーの香りであった。 2.自転車エルゴメータを用いた運動負荷から生じるストレスに及ぼすバラ(ブルー)の香りの影響を唾液中のアミラーゼ活性を指標として調べた。香りは運動負荷を取り除いた直後に与えた。運動経験の豊富な被験者群における運動負荷後のストレスは、運動経験の少ない群よりも小さく、バラツキも少なく、バラの香りを与えた場合には、時間とともに減少し、安静時の値よりも小さくなる傾向がわずかではあるがみられた。 3.バラの香りの有無が精神的なストレスに及ぼす影響を調べるため、計算課題を与え、作業終了直後の脳波及び心電図の計測を行った。また、快適感、集中度、疲労感、緊張感に関する主観評価も行った。バラの香りを与えた場合は、ブルーおよびダマスク系のいずれの香りもα波帯域の比率が有意に滅少し、β波帯域の比率が増加した。心拍数には香りの有無による影響は認められなかった。また、主観評価では、緊張感に有意な差がみられ、ブルーの香りは緊張感を減少し、ダマスク系の香りは増加した。
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