2006 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアFTA進展下における我が国水産物輸出の効果とその推進施策に関する研究
Project/Area Number |
17580170
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Research Institution | Shimonoseki city University |
Principal Investigator |
濱田 英嗣 下関市立大学, 経済学部, 教授 (80172972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 征一郎 近畿大学, 農学部, 教授 (40017075)
島 秀典 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (00253914)
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Keywords | グローバル流通 / 水産物消費の同質化 / 国境を越えた情報流整備 / 持続的な水産物輸出 |
Research Abstract |
わが国の水産物輸出は2005年現在、金額べ一ス1,750億円と、ここ5年間で30%増となった。いうまでもなく、韓国・中国を中心とした東アジア圏の経済成長が著しく、健康・高級食材としての水産物需要が増大し、高品質な日本産水産物の輸出が活発化している。 少なく見積もっても、タチウオは全漁獲量のうち30%は韓国に輸出されている。和歌山県M漁協では対韓輸出が開始された1999年を基点として、単価上昇率は平均1.5倍、とくに中型サイズタチウオの上昇率は4倍を越えている。大分県などでも事態は同様であり、タチ釣り漁業以外に、効率的な網漁業によってタチウオを狙う新規参入の動きも確認できた。これまで国内量販店が安く買い叩いてきた中・小型タチウオは、韓国相場の方が高くなり国内市場から流出し、結果として、タチウオ扱い量が20〜30%減少した大手量販店もある。流通変化はタチウオ消費が強い西日本だけでなく、静岡・浜松など比較的安価な網タチウオの受け皿といわれてきた地域でも顕著な入荷の減少、価格上昇が認められ、タチウオ輸出が、地域を超えてわが国全体に流通に変化をもたらしていることが明らかとなった。 輸出業務が具体的に集中する通関においては、アンダーバリュー問題(過小申告問題)が認められ、ルールに沿った輸出競争が必ずしも行われていないことも明らかとなった。 しかし、それ以上に輸出活発化が早くもタチウオ資源の急激な悪化も招き、問題化している。今後FTA交渉が進展し、さらなる水産物貿易の活発化が予測されるが、貿易活発化と資源悪化の矛盾をどう緩和させるか。輸出促進施策としての輸出相手国市場調査やパンフレヅト作成を否定するつもりはないが、もう一方で、秩序ある輸出体制が求められている。持続的な水産物輸出施策を構築する必要があることも明らかとなった。
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Research Products
(3 results)