2006 Fiscal Year Annual Research Report
フードシステム学的視覚から分析する地域特産物の展開に関する研究
Project/Area Number |
17580193
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小野 直逹 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (30015094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野見山 敏雄 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (20242240)
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Keywords | 特用農産物 / さとうきび / てん菜 / ホップ / 葉たばこ / こんにゃくいも / 繭 / 地域農業 |
Research Abstract |
本研究課題において取り上げた地域特産物を対象として、フードシステムの視覚からその存立条件と、展開方向の明示に努めた。なお、本年度はフードシステムの視点のうち、生産面に焦点をあて、現地調査および取りまとめを試みた。ちなみに、さとうきびは鹿児島県種子島、てん菜は北海道本別町、葉たばこは岩手県旧浄法寺町および熊本県旧岡原村、ホップは岩手県遠野市、こんにゃくいもは群馬県昭和村、繭は東北および関東地域の大規模養蚕農家等の経営実態調査を整理分析し、考察をした。その成果として、著書『特用農産物の生産と展開方向』を農林統計協会より2007年4月に出版した。ここでの総括として、最近年におけるこれら作目の生産縮小およびその減退の要因、生産を継続している農家の経営構造および諸課題について、究明した。前述した6作目は、生産農家にとって、および地域農業や地域経済にとって、それらの有する農業の多面的機能の発揮とあいまって、きわめて重要な地位にあると指摘した。なお、生産の減退に対しては、日本農業における特用農産物の展開方向が、明確かつ具体的に提示されることが強く要請されているとし、これら作目の生き残りのためには、価格優先の作目選択ではなく、農家の生産と生活を守ることを第一義とした農業政策の大転換が必要と指摘した。要するに、農業生産の場合、安全・安心なもの、本物志向のもの作りであることが基本であり、よって国産国消策が第一義とされるべき、と指摘した。終わりに、作物の立地としては、条件不利的条件下にある特用農作物のもつ意味は、農業経営、農家の生活、および地域保全の観点からきわめて大きいものと総括でき、行政的対策等も含めて何らかの支援策が打ち出されるべき、と提言した。
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Research Products
(1 results)