2005 Fiscal Year Annual Research Report
水循環デザインを核とした日中農村エコビレッジ・リノベーションに関する比較研究
Project/Area Number |
17580216
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
糸長 浩司 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (10184706)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 重雄 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (30147673)
栗原 伸治 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (60318384)
藤沢 直樹 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (10409071)
|
Keywords | エコビレッジ / 水環境 / 持続循環型社会 / 日中比較 / 集住環境 |
Research Abstract |
1.日本型流域環境での水環境をいかしたエコビレッジ化に関する研究 日本での持続循環型社会形成のためには、流域環境での自立と連携によるエコビレッジ化が重要となる。本研究では相模川流域でのNPOによる水環境モニタリングシステムの構築、水源地域の藤野町篠原集落での集落NPOによる廃校活用による既存集落のエコビレッジ化を支援する研究を進め、その活動に寄与しその可能性を示唆した。また、最上川上流域の山形県飯豊町中津川地区を核とした、木質バイオマス資源活用型のエコビレッジ化構想、特に、木質ペレットによるエネルギー自給型の里山エコビレッジについて検討し、その可能性を示唆した。(糸長、藤沢) 2.中国上海での新旧集住環境での水・温熱環境評価とエコビレッジ化の課題と条件調査 急激な都市化、近代化の進む中国上海近郊での持続可能な集住環境形成手法としてエコビレッジ化の可能性を、中国共同研究者の同済大学李京生教授と調査した。氏の計画設計した水路環境を持つ環境配慮型住宅団地(金橋団地)及び伝統的な水郷街村(金澤鎮)の温熱環境及び居住者意識調査を実施した。団地では不完全な水系システムではあるが、水路環境が夏期の居住環境形成に寄与し、住民意識では団地のアメニティ環境として評価されている。水郷街では、水質では塩素濃度が高い点が指摘できたが、水路沿いに多様な洗い場、衛生場、コミュニティ空間が設置利用され、密住居住を緩和するアメニティ・オープンスペースとして寄与し、水路環境が密住市街地の温熱環境緩和に寄与していることも解明した。(糸長、栗原、石川) 3.世界のエコビレッジの動向とエコビレッジでの水環境デザイン研究 第2回世界エコビレッジ会議の資料収集により、1995年から10年間経過した世界的なエコビレッジ運動の動向変化を調査した。この運動は10年前に始動したが現在はより世界的に拡大し、ユネスコと協力してエコビレッジ教育プログラム開発に進展している。エコビレッジにおける水環境として、植物・微生物を活用した自立循環系のリビングマシーンが利用され、スコットランドのフィンダーフォーンエコビレッジでは10年間十分な稼働をしていることを確認できた。糸長らが開発研究中の日本型リビングマシーンの日本型エコビレッジでの適用可能性も指摘できた。(糸長)
|