2006 Fiscal Year Annual Research Report
豚の筋肉における脂肪交雑形成メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
17580249
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
勝俣 昌也 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所分子栄養研究チーム, 上席研究員 (60355683)
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Keywords | 豚 / ブタ / 筋肉 / 脂肪交雑 / リジン / アミノ酸 |
Research Abstract |
飼料中リジン濃度を要求量の60〜70%にまで低下させると、豚の筋内脂肪含量を高くできることを明らかにしてきた。本研究では、豚の筋肉におけるadipogenesis関連遺伝子等の発現に及ぼす、飼料中リジン濃度の影響を検討することを主目的としている。 6週齢のLWD3元交雑種(去勢雄)を2群に分け、リジン濃度0.73%の低リジン飼料と、同1.16%の対照飼料を3週間給与した。この週齢の豚のリジン要求量は1.15%なので、低リジン飼料は要求量の63%量のリジンを含んでいる。なお、両飼料とも粗タンパク質含量は16.1%、可消化エネルギー含量は3.41Mca1/kgで、リジン以外の必須アミノ酸はすべて要求量を満たしている。試験終了時に、胸最長筋を採取し、PPARγやC/EBPαなどのadipogenesis関連遺伝子、糖代謝関連遺伝子としてGLUT4、筋肉タンパク質関連遺伝子としてミオシン重鎖アイソフォームの発現を、リアルタイムRT-PCR法によって測定した。測定したすべての遺伝子で、平均値は低リジン区が高かったが、統計的には有意な差ではなかった。飼料中リジン濃度は、より短期間で影響が大きいとも考えられたので、同様の飼養試験を、給与期間を1週間にして実施した。3週間給与および1週間給与から、同腹の対照区と低リジン区を1頭ずつ選抜してマイクロアレイ解析を行ったところ、低リジン飼料の給与期間に関わらずPPARγ1とUCP3の発現量が低リジン区で高かった。また、C/EBPβとGLUT4は低リジン飼料を1週間給与すると発現量が高くなった。aP2の遺伝子発現量は、低リジン飼料を3週間給与したときに高くなっていた。1週間給与時のadipogenesis関連遺伝子等の発現量を、リアルタイムRT-PCR法で現在解析中である。
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