2005 Fiscal Year Annual Research Report
鶏卵内におけるサルモネラの動態とその増殖抑制、とくに卵黄抗体の関与について
Project/Area Number |
17580267
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
村瀬 敏之 鳥取大学, 農学部, 助教授 (20229983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 公一 鳥取大学, 農学部, 教授 (00032293)
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Keywords | サルモネラ / 血清型 / エンテリティディス / インファンティス / モンテビデオ / 卵白 / 卵黄膜 / 運動性 |
Research Abstract |
サルモネラに汚染された鶏卵において、一般に本菌は卵白内に存在するため、卵黄膜を介して卵黄内に侵入した後に増殖を開始するものと考えらる。これに対し、実験的に卵黄膜上に接種した血清型エンテリティディス(SE)が卵黄内に侵入すること無く卵白内でも増殖する。一方、血清型ハイデルベルクに汚染された鶏卵が関与した集団感染のようにSE以外の血清型に対する関心も高まっている。そこで本年度では、卵内に存在する本菌の遺伝学的検出及び卵内動態について、SEを含む各種血清型間で比較することを目的に行なった。採卵農場より供与された卵内に存在する本菌DNAのPCR法による検出には至っていない。SPF鶏卵の卵黄膜上にサルモネラ(SE並びに血清型インファンティス(SI)及びモンテビデオ)を100個接種し25℃で6日間インキュベートしたところ、卵黄内への侵入率及び卵黄内菌数は血清型間で有意な差を認めなかった。すべての血清型の合計で、ヒト由来株における卵黄内への侵入率(23.8%,13/46)は液卵由来株(2/46,4.3%)に比べ有意に高かった。卵白内菌数が10^6/ml以上を示したサンプルの割合はSE(44.7%,21/47)がSI(11/46,23.9%)より有意に高かった。卵白内で増殖した菌において特異的に発現する蛋白を特定するため、2次元電気泳動システムによる解析に向け条件設定を行なった。シャーレに卵白を入れ辺縁にサルモネラを1,000個接種し、3.0μmのメンブレンを底とする容器(径10mm)に卵黄を入れて、シャーレ中央においた。25℃11日後、ヒト由来SE及び液卵由来SIが卵黄より回収された。また、シャーレ内の卵白におけるサルモネラの増殖を認めた。以上の成績より本菌が卵白内を卵黄に向かって運動することはまれであるが、卵黄の近傍に存在することは増殖に好都合であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)