2007 Fiscal Year Annual Research Report
鶏卵内におけるサルモネラの動態とその増殖抑制、とくに卵黄抗体の関与について
Project/Area Number |
17580267
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
村瀬 敏之 Tottori University, 農学部, 教授 (20229983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 公一 京都産業大学, 工学部, 教授 (00032293)
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Keywords | サルモネラ / 血清型 / エンテリティディス / 卵黄膜 / 卵黄抗体 / 卵白 |
Research Abstract |
鶏卵に接種したサルモネラの増殖を、サルモネラ・エンテリティディス(SE)不活化ワクチンを接種したコマーシャル採卵鶏が産出した卵(卵黄中の抗SE抗体をELISA法により確認)とSPF卵を用いて検討した。はじめに、卵黄に接種したサルモネラの増殖を検討した。卵黄を無菌的に採取し生理的食塩水を等量混合したものにSEのIFO3313株を3.6-7.3x10^4CFU/ml(平均5.3x10^4)となるように接種した。これを25℃でインキュベートし生菌数を経時的に測定した。24時間後において、SPF卵(3個)の卵黄中におけるSEの生菌数は接種時に比べ12,000〜18,000倍に増加した。これに対し、ワクチン接種鶏が産出した卵(6個)の卵黄中におけるSEの生菌数の増加は3,200〜5,600倍と、SPF卵と比べ有意(p<0.05)に低かった。続いて、卵黄膜表面にSEを接種した汚染卵モデル、すなわちプラスティックビーカーに入れた卵黄膜上に約50CFUのSEを接種後その上に卵白を重層した試料を作製し、25℃でインキュベートし経時的に卵黄内および卵白内の生菌数を検討した。ワクチン接種鶏が産出した卵27個およびSPF卵17個を用いたすべての試料において、7日目まで卵黄内にSEの侵入は認められなかった。3日目の卵白内SEの生菌数は、ワクチン接種鶏が産出した卵13個のうち2個において<50および3.0x10^2、SPF卵では8個のうち4個において<50〜2.5x10^2であった。7日目では、ワクチン接種鶏が産出した卵14個のうち4個において<50〜1.4x10^6、SPF卵では9個のうち2個においてともに<50であった。したがって、卵黄中にSEが存在した場合その増殖が卵黄抗体により阻害される可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)