2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規内因性μオピオイドペプチドの単離・同定ならびにその生理機能の解析
Project/Area Number |
17590065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
溝口 広一 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (30360069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻田 忍 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (30075816)
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Keywords | 内因性ペプチド / オピオイド / 同定 / 鎮痛薬 / 副作用 |
Research Abstract |
研究代表者らが開発したdermorphin誘導体、Tyr-D-Arg-Phe-Sar-OH(TAPS)、Tyr-D-Arg-Phe-β-Ala-OH(TAPA)、Tyr-D-Arg-Phe-β-Ala-NH_2(TAPA-NH_2)、amidino-TAPAは、そのμ受容体刺激に基づく内因性オピオイドペプチド、dynorphin A、dynorphin B、α-neoendorphin、[Leu^5]enkephalinの遊離といった、従来のμ受容体作動薬にはない特異的な薬理作用を持つ。研究代表者らは、TAPS、TAPA、TAPA-NH_2、amidino-TAPAのアミノ酸配列を基に、立体構造が類似しておりかつ理論的に生体内に存在しうる種々のペプチドを合成し、脊髄におけるその抗侵害作用発現機序を指標として、他の内因性オピオイドペプチドを遊離する新規内因性μオピオイドペプチドを検索した。その結果、Tyr-Pro-Phe-Gly-NH_2とTyr-Pro-Phe-Ala-NH_2は共にμ受容体を介し、Tyr-Pro-Phe-Gly-NH_2は[Met^5]enkephalinを、Tyr-Pro-Phe-Ala-NH_2はα-neoendorphin、[Met^5]enkephalin、[Leu^5]enkephalinを遊離することが明らかとなったことから、両ペプチドを新規内因性μオピオイドペプチドの候補ペプチドと認定した。また、検索における構造活性相関の結果ならびに、endomorphin-2(dynorphin Aの遊離作用を持つ)の構造(Tyr-Pro-Phe-Phe-NH_2)から、内因性オピオイドペプチドを遊離する新規内因性μオピオイドペプチドの基本構造は、Tyr-Pro-Phe-X-NH_2である可能性が示唆された。現在、基本構造の4位のXに種々のアミノ酸を導入した種々のペプチドを合成し、新規内因性μオピオイドペプチドの候補ペプチドとしての特性を備えているか検索を行っている。 また最近研究代表者らは、μ受容体遺伝子エクソン選択的アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドを用いた行動薬理学的研究において、amidino-TAPAにより誘発される各内因性オピオイドペプチドの遊離に対する各μ受容体サブクラスの関与を検討した。その結果、dynorphin Aの遊離にはMOR-1JとMOR-1Lが、dynorphin Bとα-neoendorphinの遊離にはMOR-1Kが、[Leu^5]enkephalinの遊離にはMOR-1Lが関与している事が明らかとなった。同様の実験を各候補ペプチドにおいても行い、個々の内因性オピオイドペプチドの遊離に関わる各μ受容体サブクラスの関与を確認する予定である。
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Research Products
(2 results)