2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規内因性μオピオイドペプチドの単離・同定ならびにその生理機能の解析
Project/Area Number |
17590065
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
溝口 広一 Tohoku Pharmaceutical University, 薬学部, 准教授 (30360069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻田 忍 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (30075816)
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Keywords | 内因性ペプチド / オピオイド / 同定 / 鎮痛薬 / 副作用 |
Research Abstract |
行動薬理学的実験の結果によって示唆された新規内因性μオピオイドペプチドの基本構造Tyr-Pro-Phe-X-NH_2に相当するペプチドが、理論的に切り出され得る前駆体ペプチドを産生する遺伝子を、そのアミノ酸配列を元にジーンバンクに登録されている全マウス遺伝子から検索した。残念ながら現時点では、先に発見したendomorphin-2(Tyr-Pro-Phe-Phe-NH_2)の前駆体ペプチド産生遺伝子以外には、この基本構造に相当するペプチドの前駆体ペプチドを産生する遺伝子を発見し得ていない。ペプチドのアミノ酸配列ならびに酵素による切り出しに必須のアミノ酸配列から推定される、検索の対象となるべき核酸配列の組み合わせは極めて膨大な数に上るため、全ての検索を終えるには今暫く時間が必要である。 先に発見した遺伝子が、実際に内因性μオピオイドペプチドendomorphin-1(Tyr-Pro-Trp-Phe-NH_2)およびendomorphin-2の前駆体ペプチドの産生遺伝子であるか否かを、発見した遺伝子に対する選択的アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドを用い検討した。Endomorphin-1およびendomorphin-2のアミノ酸配列および酵素による切り出しに必須のアミノ酸配列を元に設計したアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドを、マウス脊髄髄腔内に1日1回4日間連続投与し、熱侵害刺激に対する疼痛閾値の変化を経日的に測定した。その結果、endomorphin-1およびendomorphin-2のいずれを対象にしたアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドによっても、熱侵害刺激に対する疼痛閾値は低下し、脊髄において疼痛制御を行っているendomorphin-1およびendomorphin-2の含量が低下した可能性が示された。現在、同様のアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドの処置により、実際に脊髄におけるendomorphin-1およびendomorphin-2の含量が低下するか否かを、免疫学的組織化学染色法で検討中である。
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Research Products
(10 results)