2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗癌・抗感染症薬を目指したフラーレン誘導体の創製
Project/Area Number |
17590092
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
増野 匡彦 Kyoritsu University of Pharmacy, 薬学部, 教授 (90165697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 成夫 共立薬科大学, 薬学部, 准教授 (00264078)
高橋 恭子 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (90255381)
西澤 千穂 共立薬科大学, 薬学部, ポストドクター (50448990)
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Keywords | フラーレン / がん細胞増殖抑制 / アポトーシス / C型肝炎ウィルスRNAポリメラーゼ / 抗C型肝炎薬 |
Research Abstract |
1.フラーレン誘導体のがん細胞増殖抑制機構の解明 ジメチルピロリジニウム置換基を有するフラーレン誘導体(1)ががん細胞増殖抑制効果を示すことをすでに明らかにしているが、本年度はその機構の解析を行った。この増殖抑制がアポトーシス誘発であるか、ネクローシスによるかをはじめに検討した。ヒト白血病由来HL-60細胞を1で処理するとアポトーシスの特徴であるDNAのラダー化、クロマチンの凝集、細胞周期のSub G1期での停止が観察され、1がアポトーシスを誘導していることを明らかにした。次に1のアポトーシス誘発機構の解析を種々行い、カスパーゼ3の活性化、カスパーゼ9の活性化、ミトコンドリアからのシトクロムc放出を引き起こすが、p53の誘導はおきないことを見出した。これらより1はp53経路ではなくデスレセプター経由でアポトーシスを誘発していることを明らかとした。多くのがん細胞ではp53が欠損しているためp53以外の経路でアポトーシスを誘発する化合物は抗がん剤リード化合物として有利と考えられる。 2.スルホニウム型フラーレン誘導体の抗C型肝炎ウィルス活性 スルホニウム型フラーレン誘導体(2)のC型肝炎ウィルスRNAポリメラーゼ阻害活性を検討したところ、従来のフラーレン誘導体1とほぼ同等の活性を示した。さらにC型肝炎ウィルス増殖抑制効果も2は1と同等以上の活性を示した。昨年度の検討から2は1より細胞系に与える影響が低いこと明らかとなっており、スルホニウム型フラーレン誘導体が抗C型肝炎薬のリード化合物として有望であることが明らかとなった。 3年間の研究で新規抗がん薬、抗C型肝炎薬、抗HCV薬の有望なリード化合物を創製できた。
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Research Products
(9 results)